38 ページ38
...
in side
｢ちゃーんっっ！！なにこれぇ！！｣
｢うるっせえ...｣
朝からバカでかい大ちゃんの声は、微妙に二日酔いして痛む俺の頭にガンガン響いて顔を顰める。
だけど大ちゃんの手にあるものを見ると、頭の痛みどころか二日酔いどころかすべての感情が吹っ飛んだ。
｢え、｣
｢これほんとーっ？誰なの？｣
申し訳ないけど能天気に話す大ちゃんの声は何も頭に入らない。
ただその誌面に書かれた文字が、写真がはっきりと頭に残る。
なんで、どうして。
撮られることは100歩譲ってまだいいかもしれない。
だけど別に｢恋人｣って書かなくたっていいじゃん。
普通に｢友人｣でいいじゃん。
...まあ、写真だけじゃ｢恋人｣に見えなくもないから仕方ないか。
事実、彼が｢恋人｣であることに変わりはない。
だけどどうしてそうやって週刊誌って平気で人の人生を狂わせられるんだろうか。
ぼーっとしたまま誌面を見つめてると、いつの間にか光が来たことにも気づかなかった。
｢...ちゃん、いのちゃん？どした？｣
｢あえっ？あ、おはよ...｣
｢さっきからあいさつしてんのに全然...あぁ、そういうこと｣
何気なく視線を落とした光は、俺の膝の上の誌面を捉えるとだいたい察してくれた。
光は普段はバカなくせにこういうときだけ察しが良くて、無駄な説明はいらないから助かる。
...相変わらず大ちゃんは何もわかってないのか｢光くん知ってるの！？｣なんて騒いでるけど。
｢いのちゃん、まず話すべきは俺たちじゃない？｣
｢...そうだね。
でも全員揃ってからにしたい。
だからもうちょっと待って｣
黙って頷く光と納得いかない顔で不貞腐れる大ちゃんを横目に、先に撮影を行ってる薮と�睫擇�戻るのを待つ。
そして薮たちが戻ってきて俺らも撮影を終えたところでようやく全てを話した。
当然、かなり怒られるのを覚悟してた。
職業柄、恋愛すら許されないのに相手が同性だとなるとかなり好奇の目で見られるし。
メンバーには言おうかと思ったけど言わなかった。
でも別に隠してたわけじゃなくて、聞かれなかったから言わなかっただけ。
そういった開き直りに近い気持ちで話し終えると、みんなからは意外な返事がきた。
｢で、どうすんの？｣
｢は？｣
｢別に相手が誰とか興味ないし。
それよりこの後どうすんのって聞いてんの｣
あっさりそう言った薮にみんな頷く。
どうすんのって言われても、ねぇ...。
...
...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺にゃん´`*(プロフ) - わたなべさん» 大丈夫ですよ! 無理せず、頑張ってください☆ 楽しみにしてます！ (2018年2月19日 22時) (
レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» ありがとうございます...！更新が死ぬほど遅いですが今後もよろしくお願いします(>_<) (2018年2月19日 22時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - とても素敵なお話です。あと面白いです！ いのけと好きなので、読んでて幸せな気持ちになってます! (2018年2月19日 17時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - らなさん» わー！ありがとうございます(>_<)！ (2018年2月13日 10時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
らな - ツイッター出てきました！ありがとうございま！m(__)m後フォームもさせていただきました！ (2018年2月13日 3時) (レス) id: fc6c88d13e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わたなべ | 作成日時：2018年2月8日 3時
