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kt side
それから2週間。
ついに例の日が来てしまった。
「ど、どうしよ、変じゃない...?」
待ち合わせはお昼の12時。
なのに目が覚めたのは、起きる予定の時間より1時間も早い朝6時。
学校がある日でもこんな時間に起きたことない。
こんな時間に起きるの高校生ぶりだな、なんて呑気に思えてたのは寝起きだけ。
だんだん目が覚めるにつれて、そんな呑気なことを考えてる暇なんてないくらい緊張してきた。
そして今は鏡の前でぐるぐる、ぐるぐる悩んでる。
どうしよう、服これでいいのかな、髪これでいいかな、ていうか何持っていけばいいの...?
こんなに悩むくらいなら裕翔とか山ちゃんにどんな服着ればいいか相談すればよかったなぁ、と思うけど裕翔たちにはこのことは言ってないから不審に思われるかと思ってやめた。
そしていまになってそれを後悔してる。
なんて悩みながらなんとなく時計を見ると、既に時計の針は11時半を指している。
...え!?11時半!?
「あと30分じゃん...!」
慌てて家を出て、駅まで走る。
せめて5分前には着きますように...!
待ち合わせ場所の駅はここから3駅ほどあるから電車に乗らなきゃいけない。
そもそもここから駅まで歩けば10分ほどかかる。
今なら走ればギリギリ間に合う、かも。
そして走って駅に着くと、タイミングが悪く電車は少し遅れてる。
初めてちゃんと会うのに遅刻なんて最悪だ。
数分遅れてる電車に乗りながら気持ちはだんだん焦り始める。
ただ、走った甲斐があったのかギリギリ遅刻ではない時間に到着した。
走ったせいで髪型ちょっと崩れてるし、すごく寒いのに若干汗かいてるしこんなんじゃあんなに悩んでた意味ないなぁ、と思う。
ひとまず遅れなくてよかった、と思ったのも一瞬で、ひときわ目立つ(ように俺には見えてる)人物を見つけて青ざめた。
「ごめんなさい、お待たせしました...!」
「あ!よかったぁ〜...!」
振り向いてそう言われたのと同時に、なぜか結構しっかり抱きしめられた。
...え、何が起こってんの?
一気に顔に熱が集まって、身体も固まってしまう。
そんな俺をよそに、俺から離れた彼は、伊野尾さんはにこにこした笑顔のまま俺の手を引いて歩き出した。
「ねえ、なんか食べたいのある?」
「え、えっと...お任せします...」
「はぁい。任せて〜」
...ほんとに夢なんじゃないんだろうか。
...
...
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苺にゃん´`*(プロフ) - わたなべさん» 大丈夫ですよ! 無理せず、頑張ってください☆ 楽しみにしてます! (2018年2月19日 22時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» ありがとうございます...!更新が死ぬほど遅いですが今後もよろしくお願いします(>_<) (2018年2月19日 22時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - とても素敵なお話です。あと面白いです! いのけと好きなので、読んでて幸せな気持ちになってます! (2018年2月19日 17時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - らなさん» わー!ありがとうございます(>_<)! (2018年2月13日 10時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
らな - ツイッター出てきました!ありがとうございま!m(__)m後フォームもさせていただきました! (2018年2月13日 3時) (レス) id: fc6c88d13e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わたなべ | 作成日時:2018年2月8日 3時