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kt side
お客さんに頼まれた花束は我ながらなかなかいい出来になったと思う。
結婚式かぁ、俺もいつかするのかな。
そう思いながらお客さんに花束を渡して、お会計を済ませたときだった。
渡した花束を返された。
｢...っえ？｣
｢ごめんね、友達の結婚式だなんて嘘なの｣
待って、どういうことだ。
じゃあこの花束どうすればいいんだ。
どうしよう、これじゃ店長に怒られる。
思わず涙がこみ上げるけど泣いちゃダメだ、お客さんの前だもん。
それに今日は慰めてくれる知念はいない。
花束を持って俯いてたら、お客さんからは思いかげない言葉がかけられた。
｢ほんとはね、君に会いにきた｣
｢...え、｣
その言葉に涙が引っ込む。
困惑してる俺をよそに、お会計を済ませて渡したレシートの裏に彼は何かを書き始めた。
そして返されたレシートには、電話番号らしい数字が並んでる。
｢え、これ、｣
｢仕事終わってからでいいから連絡して｣
｢へっ？あの、えっと...っ｣
｢じゃあね。仕事頑張って｣
｢あ、あの...っ！待って、！｣
その人はそれだけ言うと俺に背を向けて帰っていこうとした。
慌てて呼び止めれば、その場でその人は振り返った。
｢はぁい？｣
｢えっと、その...あの、名前、聞いていいですか...？｣
｢...ふふ、ふたりの秘密ね｣
少し進んだところにいた彼はもう一度俺の前に戻ってきてマスクを外した。
その正体に、俺は思わず絶句した。
｢俺、伊野尾慧っていうの。職業アイドル。
覚えてて｣
それはもう2度と会えないと思ってた人物で。
名前を告げた彼はそのまま帰っていった。
相変わらず俺は動けないまま。
ふとさっきの彼の言葉を思い出す。
彼は確かに｢君に会いにきた｣と言った。
彼の指す｢君｣とは間違いなく俺のことで。
そんなこと言われちゃったらその...期待しちゃうわけで。
手元のレシートを見て固まること数秒、店長の声で我に返る。
慌てて花束を休憩室へ置きに行くとまた仕事へ戻った。
そしてバイトが終わりスマホの電源を入れると、裕翔から｢バイト終わり次第やまの家来て｣と連絡が入っていた。
そう言えば先週｢恋人いなくても友達いる！｣とかいう意味の分からないこと言いながらクリスマス一緒に過ごすって言ってたっけ。
ちょうどいいや、このことも全部ふたりに話しちゃえ。
そう思って｢すぐ行く｣と返事をして山ちゃんの家へ向かった。
...
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苺にゃん´`*(プロフ) - わたなべさん» 大丈夫ですよ! 無理せず、頑張ってください☆ 楽しみにしてます！ (2018年2月19日 22時) (
レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - 苺にゃん´`*さん» ありがとうございます...！更新が死ぬほど遅いですが今後もよろしくお願いします(>_<) (2018年2月19日 22時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
苺にゃん´`*(プロフ) - とても素敵なお話です。あと面白いです！ いのけと好きなので、読んでて幸せな気持ちになってます! (2018年2月19日 17時) (レス) id: 9828435108 (このIDを非表示/違反報告)
わたなべ(プロフ) - らなさん» わー！ありがとうございます(>_<)！ (2018年2月13日 10時) (レス) id: 5f3fb5e8f0 (このIDを非表示/違反報告)
らな - ツイッター出てきました！ありがとうございま！m(__)m後フォームもさせていただきました！ (2018年2月13日 3時) (レス) id: fc6c88d13e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わたなべ | 作成日時：2018年2月8日 3時
