熱愛？してませんけど【TH】 (ページ6)

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運命の出会いページ6

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scriosが披露したのはデビュー曲であるFace up。ナムジャ並の勢いで曲が始まり会場の色が一気にscriosとなった。

次々と繰り出されるパフォーマンスに目を離す事が出来なかった。その中でも1番目立っていたのはAだった。

メインダンサーなのもあってそりゃダンスでは1番注目されるだろうけどそれ以上だった。

頭から爪先までの細かい動き、目線、表情。

そしてあの数秒間にいくつの言葉を話しているのか分からないのに自然と耳に入ってくるラップ。

番組終了後、ホビヒョンとユンギヒョンがAのダンスとラップを大絶賛していた。

もう気づいた時にはとっくにAを女の子として好きになっていた。

でも俺の行動次第ではBTSにもscriosにもよくも悪くも影響が及ぶ。95%の可能性で悪い方に傾くだろう。

だから気持ちだけにしようと思った。忘れようって。

『テヒョンさん……ですか？これ落としませんでした？』

あるスタジオで俺の袖を柔く引っ張る正体はAただった。

それはちょうど今探していたものだった。俺の所有物をAが持っているという事実にスキップできそうなほどテンションは爆上がりだった。

『あれ、違いました？』

首をこてん、とする仕草はあまりにも自然で簡単に心臓を射抜かれる。

『違うって事でいいですよね、じゃあ他当たりますね』

「すき」

『え？』

「ぁ…」

俺の傍から離れ他を当たろうとするAの柔く細い腕を捕まえ俺のだよ、ありがとうと言うつもりだった。

いつの間にかすきという2文字が口からでしゃばっていた。

困惑して顔を赤くするAを前にこれ以上何も喋るな、と自分の口に言い聞かせるように手で抑えた。

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