榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ37)

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第35話ページ37

神谷side

無事彼女を送り届けた後、自宅へと車を走らせながらさっき一緒にいた彼女の事を思い出していた

満員電車内での痴漢にあった時、彼女が俺の携帯に打った文を見て頷いて手を掴まれたと思えば恥じらいながらも彼女は自らの腰に俺の手を回す。

不安で震える弱々しい姿の彼女を安心させるように耳元で囁く

神「ﾎﾞｿｯ)後一駅です。もう少し待っててください…」

小さく頷く彼女。降りる駅に到着すると彼女を自分の元へ引き寄せ同時に痴漢をした男の手を掴んでホームへ降りる。

「?!」

神「失礼ですが、強制わいせつ罪で逮捕します。」

「なっ…?!痴漢なんてしてないｯ…!!その女のでまかせだ!!そもそも、そんな短いパンツで男を誘惑するような格好で乗るから自惚れて勘違いしてるんだろ!!なぁ?!」

『ｯ…』

神「……いい加減にしてくれますか。アンタ人の女に手を出しておいて往生際が悪いんですよ」

自分でも何故そんなことを言ったのかはわからない…。だが、被害者である彼女をあそこまで侮辱されたら俺だって気分が悪いのは確かだった。

俺はそのまま何も言えなくなった男の手に手錠を掛けた。その後、改札口付近まで行って水城さんに連絡を入れた。暫くすると水城さんがやってきた

水「神谷、お前なんでこんなとこにいんのよ～」

神「言う必要ありますか」

水「べ、別に答えなくてもいいけどさァ!その怖い顔やめろよｯ!いつにも増して怖い…!」

神「はぁ…いい歳したおっさんが何言ってんですか…。それよりこの人、強制わいせつ罪で逮捕したんで署まで連行してください」

水「…え、何…神谷、痴漢されたの?!」

神「………そんなわけないでしょう。彼女ですよ」

俺が顎で指した方を水城さんが目を向けると成程と納得した。全くこの人は…何処をどう考えたら俺が痴漢されるんだ。

無事男の身柄を水城さんに引き渡した後パトカーを見送りホームのベンチに座る彼女の元へ駆け寄り頭をそっと撫でた

神「大丈夫ですか?」

『……はい…』

神「……すいません、俺がもっと早く気付くべきでした」

『…そんなこと!神谷さんが近くにいてくれたから…怖くなか…ｯ…あれ…』

彼女の頬に伝う涙を見て言葉よりも先に身体が動いてて彼女を抱き締めていた。すっぽりと腕の中に収まる彼女に耳元で無理しないで泣いてください。と言うと甘えるように俺の胸の中で泣いた