榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ30)

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第28話ページ30

部屋の鍵を閉め上からやってくるエレベーターを待ち乗ると見たことない人が乗っていた…新しい住民さん…?

『こんにちは』

南「どうもどうも!!ここの住民さん?この前の住民会に来てなかったよねぇ?あ、僕ね昨日502号室に越して来た南です。よろしく、どうぞ～!」

『…ご丁寧にどうも。榎本サンダーソンAっていいます。よろしくお願いします』

南「ん?榎本?あぁ～、ニュースになってたよねぇ。ミキサー主婦の…娘さん?あれ、息子じゃなかったかなぁ?」

『娘ではないです。姪になります。』

あっ、そうなの～?と言う南さんはなんというか初対面なのにガツガツ来るなぁ、と思った。正直少し苦手なタイプ。

エレベーターが１階に着き、南さんにそれでは。と軽く頭を下げ待ち合わせ場所であるマンション前に出ると名前を呼ばれた

そこには、車の前で立って待つ神谷さんが。会釈をして小走りで彼の元へ向かう。

『神谷さんまた待たせてしまってすみません』

神「いえ。私も今来た所なので、乗ってください」

そういうと神谷さんは助手席のドアを開けてくれる。…紳士過ぎないか?余計に惚れてしまいそう

『ありがとうございます…』

神「…シートベルトも付けてくださいね」

『はっはいｯ!』

私がシートベルトを付けるのを確認すると助手席のドアを閉めてくれる。神谷さんも運転席に座りエンジンをかけ車は走り出した。

変に緊張していて肘の上に置いてる手から出る手汗が凄い…気を紛らわせようと神谷さんの方をチラッと見た。あっ運転してる姿もカッコイイ…。

神「冷房寒くないですか?」

『へ?あっ、はい!平気ですっ』

神「…そうですか。もし、寒かったら使ってください。」

『ありがとうございます…』

そう言って神谷さんは丁度信号待ち中に自分のスーツの上着を私に渡してくれた。

20分くらい車を走らせて、すみだ署に着いた。また助手席のドアを神谷さんが開けてくれて出て一緒に取り調べ室へ向かった。

取り調べ室へ入ると水城さんと記録を書く人もいて、神谷さんへこちらへどうぞと水城さんの前の椅子に座る。神谷さんも水城さんの隣の椅子に座り取り調べが始まった。

水「うんうん、なるほどね～。」

神「他に誰もいませんでしたか?」

『はい、手塚さんと藤井さんと外人さん2人だけです。』

神「ありがとうございます。他に変わった事とかなければ取り調べは終わりです」

本当にすぐに取り調べが終わった…が、ここで私には疑問が生まれた。