榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ29)

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第27話ページ29

翌日、目が覚めたのは午前10時過ぎ。別に今日は講義もないからと1人朝食を食べリビングでレポートを書き始めた。

レポートを書きながら今日の神谷さんとのお祭りデートの事を考えてた。恋人でもないのにデートなんてと思うが、都築さんにはもうそれはデートだよと言われた。

浴衣で行こうか、普通に私服がいいかなとか。でも、事情聴取あるしなぁ…って考えていたらレポート用紙にハートを描いてその中に神谷さんの名前を書いていた。

『何してんのー私。はぁ…レポート用紙…まだあるかな…?……あったあった…!ん?』

鞄からレポート用紙を取り出す際に落ちた物を拾った。それはこの前猫を埋めた時に総一くんのポケットから落ちた針金…これ手塚さんへ教えるべきかな?それとも神谷さん?…どっちだ?
考えてたって仕方ないと思い、その針金をもう一度鞄へとしまった。

そんな時、携帯に着信が来た。
お母さんからだ。

『どしたの?』

正「A?今日私、お父さんと茅ヶ崎の花火見に行くのに帰り遅くなるからぁ～、総一くんの夕飯作っておいてくれなぁい?」

『それは構わないけど…私も夕方から出掛けちゃうからね』

正「バイト?」

『バイトじゃないけど…。大学近くの祭りに行こうと思って。いつもお世話になってる人と』

正「あっらあら～!何?!ちょっとA～、彼氏出来たの～?も、し、か、し、て、デ～ト?」

これ以上聞かれても困るから無言で電話を切った。後で、帰って来たらなんか色々質問攻めされそうだ…

取り敢えず、忘れないように頼まれた総一くんの夕飯を作る事にした。簡単なツナと卵の炒飯に中華のコーンスープと回鍋肉。

味見をして我ながらどれもいい味付けだ。一人分を皿に移してラップをして総一くんへの置き手紙を"出掛けてきます。夕飯温めて食べてね"と書いた

私もフライパンと鍋に入ってる炒飯とコーンスープをよそって昼食を済ませ、デート着に着替えた。

『こんな感じかな…?』

結局私服。まあ、地味かもしれないけど…胸元がレースになってるオフショルにショートパンツという組み合わせ。後、普段は付けないけど香水をシュッと付けた。

その時、タイミング良く携帯が鳴り画面を見ると神谷さんと記載してあって頬が緩む。そのまま携帯を耳に傾けた

『もももっもしもし?!』

神「…神谷です。これから向かいます」

キョドり過ぎだって私なんて思いながらも部屋まで来てもらう訳にはいかないのでマンション前で待ち合わせすることになった