榎本家の美女【あなたの番です】 (ページ17)

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第15話ページ17

神谷side

マナーモードにしていた携帯がポケットの中で震え出して水城さんに失礼しますと伝え一旦部屋の外へ出て電話に出た

連絡先を教えてから何の連絡もなく最初は誰なのか分からなかったが、声を聞いてわかった。榎本サンダーソンAからだった。

神「…どうしました?」

『忙しいのにすみません。今、家の前で顔は袋を被ってて分からないんですけど、声からして手塚さんが外人さんに……助けてくださいっ…』

神「…わかりました。今そちらに向かいます。くれぐれも部屋から出ないように」

彼女の声はどこか震えていてこれは尋常じゃない気がした。そちらに向かう事を伝え電話を切る。

電話を切ってすぐ水城さん達のいる部屋へ戻り電話での内容を伝える

神「水城さん今すぐあのマンションへ行きますよ。もしかしたら、袴田吉彦殺しの犯人がいるかもしれません」

水「出来した!神谷!お前らも行くぞ!!!」

すぐに車を出しマンションへ向かう。
エレベーターを上がり4階。目の前には手塚翔太と二階堂忍。それに気を失っている指名手配中の外国人2人と…彼女がいた。

出るなと言ったのに…と思い心の中で舌打ちをして彼女の元へ歩く。気付いた彼女が俺の名前を呼ぶと同時に自分を思ってた事を話す

『神谷さん…』

神「俺言いましたよね?くれぐれも部屋から出ないでくださいって」

『あ…』

表情からして俺からの忠告を忘れてはいなそうだった。きっと、彼女なりに手塚翔太を心配しての事だろうと理解し俯く彼女を見て溜息を吐いた

神「後日取り調べあると思うんで、一緒に来てください。迎えに行くんで」

『…わかりました』

神「とりあえず、部屋の前まで送るんで。行きますよ」

彼女の手を握り部屋まで連れていこうとしたら急に立ち止まるもんだから、見ると口をパクパクさせながら手を繋いでる事を話してきた

『かっ神谷さんｯ!手を…』

神「繋いでますね、それがどうしたんです?」

『私1人で歩けます、よ?』

神「……俺が握ってたいだけなんで。……冗談ですけど」

自分でもなんでそんな事をしてるのかそんな事を言ったのかは分からなかった。唖然とする彼女に…最後に冗談だ。無事に部屋に送り届ける為と言えばホッとした表情を浮かべている。