呼び方II ページ5
『エックスどこまで行くんですか…?』
ノ「もう少しで着くよ、お姫様」
『…っ…お姫様じゃないです…』
ノ「oh!rara…機嫌を損ねてしまったかな?」
掴んだ手を離さず私の顔を覗き込む彼と目が合えば自然と顔が熱くなるのがわかってそれをエックスに気付かれないように顔を逸らした。
『(あーもう、初美花ちゃんがあんなこと言うから意識しちゃってるじゃん…私…)』
ノ「…そう可愛い反応されると困っちゃうなぁ。抑えられなくなるよ」
『はぁ?エックス何言っt…っん…』
エックスの言葉に呆れ何を言ってるかわからないと、言う前に唇に柔らかい感触…
ノ「ん…ごめんね。でも、僕にはエックスって呼び名の前に高尾ノエルって名前があるから好きな女の子からはちゃんと名前で呼んでほしくてファーストキス奪っちゃった」
『なっ…なんで私がファーストキスだってわかるんですか…』
ノ「あー…んー?勘、かな?」
『勘って…はぁ、エックスあなたって人は…っ』
ノ「ほら、またエックスって言った」
ぐいっと腰を引き寄せられ耳元で名前呼んでと囁かれる。
『……ノエル…さん…?』
ノ「……!」
『…?あの…大丈夫です、か…?うわっ⁈』
名前を呼んだら黙ってしまった彼の顔を覗き込もうとすれば更に強く抱き締められた。
ノ「ボソッ)反則過ぎるよ…」
『え?』
ノ「いいや、なんでもないよ」
そう言って離れいつも通りの爽やかな笑顔でまた手を握ってくれるエックス。私がエックスのことを名前で呼ぶのも異性として好きになるのも、もう少し先の話。
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作者名:狐狛 | 作成日時:2019年8月13日 15時