香水【警察/2号】 ページ26
"恋すると女の子は誰だって可愛くなれる"という言葉を雑誌やネットのコラムでよく見る。
それにとある有名な女優さんがCMで"気になる彼を虜にする香水"なんて謳ってるからそんなはずないと思いつつも現在恋活中の私、Aは欲に負け通販で買ってしまった。
『ﾎﾞｿｯ)なんで買ってしまったんだろう私…』
つ「どうしたんだ?A、悩み事か?」
『い、いえ!そんな大したことじゃないですよ』
つ「なら、いいんだが…」
同僚で先輩であるつかささん。とても美人で女子の私でも綺麗だなと思う。後、よくランチに行くお店ジュレで働いてる初美花ちゃんとかThe女の子って感じで可愛し私の同期が惚れるのもわかる。
今日だって「初美花ちゃん、今度ランチ行こうよ」とか言ってたし、正直羨ましい!けど、私だってノエルさんに誘われたことあるし、それなりに男性受けはいいはず…でも、アイツは振り向いてくれない。
長かった仕事も終わり、同期であり、私を悩ませる原因の彼が一緒に帰ろうと誘ってきたから頷く。ついでにちょっと御手洗に行き買った香水を付けてみた。虜に出来る自信はないけど…
『お待たせ』
咲「そんな待ってないよ、今丁度書類終わったところだし帰ろう」
『そだね…』
一緒に帰るのはいつぶりだろうか?別に特に話す事はないけれど、2人きりなのが妙に心地がいい。
そんな心地良さに浸ってる私に彼は何か気付いたのか声を掛けてくる
咲「そういえばさ…シャンプーとか変えた?」
『え?』
咲「あれ?僕の気の所為?」
『ううん、新作の香水』
やっぱり?あの香水効果あんのかな?と思った。いや、でも、たまたまでしょとまだ疑う自分がいる
咲「なーんだ、やっぱり!いつものA匂いも好きだけどさ、今つけてる香水の匂いもいい匂いだし僕好きだよ」
『…いつもの私の匂いってどんなよ…』
咲「え、えっと…!そういう悪い意味じゃなくて!その優しくて柔らかくて包み込まれるようなそんな匂い!」
『益々わかんないから』
彼の説明は分かりづらかったけど、なんだろう…香水のおかげなのかな?少し咲也との距離が縮まった気がした。
だから、もっと私を意識して欲しくて彼に近付いて恋人同士ではないけど抱き着いて彼の匂いを嗅ぐ。私の大好きな人の匂い。
(私も咲也の匂い大好きだよ。
ﾎﾞｿｯ)…勿論咲也もね?)
(え?今!最後なんて言ったの?!)
(ほら、いいから!帰るよー)
(待って!なんて言ったか教えてよ〜!)
(そのうち、ね?)
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作者名：狐狛 | 作成日時：2019年8月13日 15時
