構って【創造/兎】 ページ23
『せーんーとー』
戦「まだ待って」
『あーつーいーかーまーってー』
戦「今実験中だから」
夏の暑い日、せーーっかく彼女がこうやって後ろから抱き締めているのに私を放ったらかしにして何か実験をしている彼は声をかける度まだ待って、静かにとしか言わない。
なんで今日に限って美空も紗羽さんも龍我も一海も幻さんも居ないわけ?
『もう!!』
戦「何怒ってんの。あれ?万丈達いないの?」
『今更気付いたの?出掛けてるよ』
戦「ふーん?」
構ってくれる人がいないのが気に食わない私は大きい声を出すと彼、戦兎は集中していた実験を止め私に近付き抱き締めてくれる
『な、ななな何してッ?!』
戦「ん?構って欲しいんでしょ?」
『そうだけど……』
戦「だったらいいでしょうよ」
こうもあっさり構うなんて何かを企んでるんじゃないかと思ってしまう。……いや、構って構ってって言ったのは私だけどさー…。
案の定お姫様抱っこされてベッドの上に連れてかれるし…触れるだけの口付けもされる
『んッ…何、するの?』
戦「Aがして欲しかった事」
『チュー?』
戦「チューしたじゃん。ほら。お互い気持ちよくなるー…」
その言葉でカァーっと顔が熱くなる私は慌ててそっから先を彼が言えないように両手で戦兎の口を塞いだ。モゴモゴ…いや、苦しいと言っていたから謝ってから手を離す
戦「ッはぁ…何すんの」
『戦兎がそんなこと言うからだよ…』
戦「じゃあ、しなくていいの?」
『いや、そういう訳じゃないけどぉ…、途中でみんな帰ってきたらやめれな…って私何言ってんの?!』
自分の勝手な妄想にひとりツッコミを入れていると戦兎がお腹を抱えて笑い出した
戦「あははッ!本当面白いな、Aは!どんなとこまで妄想してるんだよ」
『もう!うるさいよ!』
戦「ハイハイ。なら、ホテルでも行く?」
少し考えながらもやっぱり外に出たくない為首を振ると彼はため息を吐いて"ワガママなお姫様なこと"と私の頭を撫できたので、そのまま戦兎の肩に頭を乗っけるように甘えた
(戦兎ー…好きって言って)
(…愛してる)
(ッ…私も)
(可愛すぎ…やっぱ、しない?)
(…ムード台無し…だけど、後でね)
(よしッ!)
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作者名:狐狛 | 作成日時:2019年8月13日 15時