白い謎。((uszw ページ4
「行ってきまーす」
『おう。いってら。』
俺の妹、大学1年の夏帆は毎日歩いて大学に通っている。この辺は田舎だからちょうどいい時間のバスが無い。大学までは徒歩30分程なので問題は無い。
のだが。
『おいおい、雨降ってきたぞ。』
突然雨が降り出した。夏帆はもう大学についている頃だが問題は帰りだ。
夏帆は傘を持って行って無いし、生憎折り畳み傘を持っていく様な女子力も無い。
天気予報を見ると今日は1日中雨らしい。
『今朝の天気予報、晴れだったのに。』
帰りに雨で濡れて帰ってきて風邪でも引いたら看病するのは俺だ。それは面倒だし、歩きの生徒は少ない為いつも1人で帰っているらしい。
だれかの傘に入れてもらえる事も無いだろう。
しょうがねぇ。行くか。
俺は重たい腰を上げた。
俺と夏帆の2人分の傘を持つ。1つはさし、もう一つは手に持つ。
バスの時刻表を見るとバスはしばらく来ないらしい。歩きかぁ。。。めんどくせぇ。。。
『そういえば、この道あんま通らないな。』
1人で呟く。俺も大学は行っていたが夏帆とは違う所だったのでこの道を通る事はない。
なんだか新鮮。
ちょっと楽しくなり俺は足取りを早めた。
遅い。
妹はいつも「今から帰るねー」とメールを送ってくる。その位の時間に合わせて来たのだがかれこれ20分ほど待っている。
「あのー」
これが彼女との出会いだった。
「だれかお探しですか?」
『あ、いや妹を待ってまして。今日に限って遅いんですよ。』
彼女の第一印象は美少女。
白く透き通るような肌。肩より少し下の髪の毛。宝石の様にキラキラ輝く大きな瞳。
絵に描いたような美少女。
そんな彼女に、一目惚れしてしまったらしい。
「良かったら探してきましょうか?」
『あ、お願いします。名前は1年佐々木夏帆です。あ、俺の名前は優斗といいます。』
「私は萩原Aと言います。呼び捨て、タメで大丈夫です。先輩なので。えっと、ゆ、優斗さん?」
『では、お言葉に甘えて。あ、なんか友達に牛沢って呼ばれてるんで牛沢って呼んで。そっちの方が慣れてるんで。』
「はい!牛沢さん!」
そう微笑む彼女は女神そのもので迎えに来て良かったと思う。もはや、夏帆の事などわすれかけていた。
「じゃあ、ちょっと探してきますね!」
『よろしく。』
そう言って彼女、いやAは走って行った。後ろ姿も可愛いと思う俺は彼女に惚れ込んでしまっているのだろう。
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よもぎもち(プロフ) - よもぎ餅さん» あ、本当ですね!!運命感じます…!コメントありがとうございます!!頑張ります! (2019年3月3日 10時) (レス) id: ea84acbf0b (このIDを非表示/違反報告)
よもぎ餅 - すごい…同じ名前だ…奇跡ですね!おもしろかったです!頑張ってください!! (2019年3月3日 8時) (レス) id: c12d92ec65 (このIDを非表示/違反報告)
花梅(プロフ) - よもぎもちさん» 大丈夫です!!ありがとうございます!!頑張ってください!!! (2017年4月8日 12時) (レス) id: 8f2f3b2894 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎもち(プロフ) - 花梅さん» 了解しました!遅くなるかもしれませんし、ご期待に添えない作品になってしまうかもですが、よろしいでしょうか…? (2017年4月6日 16時) (レス) id: d31fb44467 (このIDを非表示/違反報告)
花梅(プロフ) - 落ち着いた感じが素敵すぎて……リクエストよければ、トントンと夢主ちゃんのドロッとした共依存系みたいです〜!! (2017年4月5日 3時) (レス) id: 8f2f3b2894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よもぎもち。 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2016年7月26日 20時