双子、今日もお騒がせします。【hgs】

41.すきやき ページ41

ASide




「ただいま」



ゆっくりドアを開けると



唯「あっ！Aおかえり〜！」




リビングから明るい唯の声が聞こえてきて、なんだかホッとする。




「(良かった、よくわかんないけど機嫌治ってる...)」




唯「今日すきやきだって〜！！テストお疲れ会！」





肉肉〜♪と言いながら踊ってる唯を見て、なんだか心のモヤモヤが晴れていく感じがした。





「ふふ、やったぁ」




晩御飯で機嫌が戻るなんて、唯らしいな。





母「はいはい、鍋の準備手伝ってねー」


唯「うん！じゃあAお箸とお皿お願い！」



パチ、と唯と目が合う。





「(...あ、)」




今日、初めて私の方見た。





「うん！」




嬉しい、なんて。



自分の中の重すぎる唯への感情にため息をつきながら、私は食器棚に手をかけた。








-数分前、唯Side-






言「チア部は夏休みも忙しいの？」


唯「うんー、野球部の応援とか色々あって！」




平然を装うけど、心の中で大きくガッツポーズをする。



唯「(わ、私がチア部だってこと覚えてくれてる〜〜ッ)」



ひくひくする口角をなんとか落ち着け、話を続ける。



唯「く、クイ研は夏休みなんかするの？」



言「あー、なんか合宿？みたいなのに行く。Aさ、...Aから聞いてない？」





Aの名前を


言い直した瞬間、心がざわつく。



いやいや、紛らわしいから私の前でそう呼んでるだけだよね。





唯「えー聞いてない！合宿いいね、楽しそう〜」


言「多分ひたすらクイズやってるだけだよ笑」




合宿行くんだ...

知らなかった、っていうかそういや...




唯「(Aと最近、全然話してないかも...)」




唯「...、」





思わず黙ってしまって、ハッとする。

言くんが不思議そうにこっちを見ていた。





言「...お土産買ってこようか？」


唯「...え、！！？」



思ったより大きい声が出て、言くんがビクッとする。



唯「えええ欲しい！めっちゃ嬉しい、」


言「そんな喜ぶ？」


唯「うん、へへ、やったぁ」





多分私に気を遣ってくれたんだろうけど。

そんなの関係ない、だって言くんが私にお土産買ってきてくれるんだもん。







-




※唯ちゃんはすき焼きで機嫌が戻ったのではなく、言との会話で機嫌が良くなりました。

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