双子、今日もお騒がせします。【hgs】

40.多分、片思い ページ40

ASide






「...ん、」








パチ、と目を開く。









「ん....？」






目の前に広がるのは、公園....？




と




問「あ、起きた」






「...もん？」





むくっと体を起こす。





問「大丈夫？」



「あ、...ごめん、私、寝ちゃって」



問「ぜーんぜん」




ぐいーっと背伸びをする。

かなりスッキリして、さっきと比べるとだいぶ頭が冴えていた。






問「良かった、顔色良くなって」


「ありがと、あ、...」




ココア。ない。


握ってたはず...どっかに落とした、？




キョロキョロしていると、




問「はい」



問にココアを渡される。

どうやら持ってくれていたようだ。





「ありがとう、」




ココアはだいぶぬるくなっていて


しばらく寝てしまったんだな、と痛感する。





問「帰ろっか。歩ける？」


「うん、もう大丈夫」



2人でベンチから立ち上がり、歩き出すと





『あ、起きたんだー』


『おはよ〜』



遠くから子供達に声をかけられた。




「、？」




私に言ってるのかな？




『ばいばーい』




問「ばいばーい」




問が親しげに手を振ってるのを見て、




「...？」



よくわかんないけど、私も振り返した。







-







静かな帰り道。






問「Aちゃん」



「んー？」



突然、問が口を開いたかと思えば



問「唯ちゃんのこと好き？」




こんなことを聞かれた。





「うん」






ぱっと問の方を振り返る。





「大好き」




問「...」




いつになく真剣な顔の問。





「多分、片思いだけどね」





ちょっと前からそうかなって思ってたけど

今日、確信に近づいたような気がしてた。





問Side




“そんなことないでしょ”




喉まで出かかったこの言葉は




問「...、」




ついに、口から出ることはなかった。






問「...」



「...」





なんて、声をかけて良いかわからなくて

口は開いてるけど

なんにも言葉が出てこない。





問「...」


「...」





2人とも、黙ったまま



いつもの分かれ道が来てしまった。





「じゃあ、バイバイ」


問「うん、バイバイ」




結局、気が利いたこと何にも言えなかったな、...

そう、思ってると





「問」





「ありがと」




背中から声が聞こえて




問「っ、...」




振り返ると、Aちゃんはもう僕の方を見ずに歩いていた。


その背中は

僕なんかには計り知れない何かがあるように感じた。






.

41.すきやき→←39.瞑目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す