25.手を引く ページ25
唯Side
次の授業は音楽で
アルトリコーダーを忘れた私は急いでAに借りに1組へ行き、音楽室へ早歩きしていた。
唯「(よかった、授業に間に合いそう)」
そう、思っていた時
ドンッ
唯「!!」
佐々木「うーわ、存在感なさすぎて見えなかったわ〜」
強くぶつかられて、体が大きく前にかたむく。
なんとか転ばずに踏みとどまったものの
ガシャンッ
ケースがちゃんとしまっていなかったのか、バラバラになったアルトリコーダーが落ちて遠くへ転がっていった。
唯「、!」
佐々木「っ、あ、.....」
『佐々木、行こうぜ遅刻しちまう』
佐々木「お、おう....」
唯「...っ!」
どうしよう、Aのなのに、
急いでリコーダーを拾おうとしゃがみ込んだ時
唯「.....」
視界が暗くなったからか
急に
じわ、と涙が滲んできた。
いつもは友達と一緒だから、
嫌な思いはしてもそんなに引きずることはなかった
1人だと、.....
唯「(こんなに、やるせないんだ....)」
なんで、
なんで
なんでこんな思いしなきゃいけないの
私、何かした?
なんで、なんで.....
「____大丈夫?」
唯「....っ、」
顔を上げると、そこには
言「...立てる?」
心配そうな顔をした、言くんが立っていた。
目があった瞬間、言くんは私に目線を合わせるようにしゃがみ込む。
言「なにしてんの」
言くんの右手には
バラバラになって転がっていったアルトリコーダーの部品が握られていた
唯「...あ、わ、たし....」
唯「...えっと....」
うまく、言葉が出ない
今喋ると
涙が溢れそうだった
言「...別に無理して喋らなくて良いから」
唯「あ、う....ん....」
キーンコーンカーンコーン....
唯「あ、....」
授業、
唯「ごめん、遅刻、....」
言「授業とかいいから」
言くんにぐい、と手を引かれて立ち上がる。
言「受けれないでしょそんな顔じゃ」
唯「....」
言くんが私の手を引いて歩き出す。
音楽室でも、1組でもない方向だった。
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はぐきぐきぐき(プロフ) - ぷよーこさん» ぷよーこさん、いつも読んでいただきありがとうございます😖💖ゆっくりではありますが更新していけたらいいなと思います💖応援ほんとに力になります!! (4月17日 22時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - どんどんお話が進んで行って、ワクワクドキドキしながら読んでいます。今後も、ご無理なさらないペースで更新いただけると嬉しいです。 (4月4日 18時) (レス) @page40 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 蚊に刺されさん» 蚊に刺されさん、コメントありがとうございます💖これからも4人の行く末を見守っていてください☺️ (4月3日 20時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
蚊に刺され - 今後の展開気になる〜!!!応援してます (4月2日 10時) (レス) id: 99eb40f4e9 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 野桜いちごさん» 野桜いちごさん、コメントありがとうございます💖応援本当に力になります🥲これからも読んでいただければ幸いです☺️ (3月31日 22時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐきぐきぐき | 作成日時:2024年1月28日 21時