双子、今日もお騒がせします。【hgs】

20.好意と人違い ページ20

唯Side





私とAが一緒に登校しなくなって数日。

すっかり私たちの仲は戻った。

そして、Aはクイズ研究部に入ったらしい。






問「唯ちゃーん」


唯「どしたの問ちゃん」


問「消しゴム二個持ってない？無くしちゃって」


唯「持ってるよ〜はいどうぞ」


問「ありがと〜明日には返すね」






Aと同じ放送委員でありクイズ研究部の問ちゃんは、私と同じクラスで


まぁまぁ、仲が良い。


入学式の翌日、Aが急に話しかけちゃてごめんね、と私が問ちゃんに謝ったことがきっかけで仲良くなった。



問ちゃんはとにかく可愛くて、いつも癒されている。






そして、私が最近悩んでいるのは、







『通れないんですけどー』


唯「あ、ごめん、」






同じクラスの、佐々木くんだ。

最近何かとちょっかいを出されて、本当に困っている。





「そっち通れば良いじゃん」

「わざわざ唯の近く通るなよ」


佐々木「うっせえブス！」


「はぁ！？」

「人に言える顔じゃねえだろお前も！」



唯「ま、まぁまぁ、私なら大丈夫だから」




「行こうぜ」と言って取り巻きと一緒に去っていく佐々木くんの後ろ姿を見てホッとする。





唯「ごめん、みんな」


「いや、唯悪くないから」


「絶対唯のこと好きじゃんあいつ」


唯「うーん、....」






小、中の時もこういうことあったけど

好きな子をいじめてしまう男の子の気持ちはさっぱりわからない。

意地悪されたら、嫌いになるだけなのに...






「唯、気にしちゃダメだからね」


唯「うん....」




はぁ、本当に気が滅入る...。






ASide


-廊下にて-




ドンッ



廊下で、急に男の子にぶつかられた。

痛いな、そう思って振り向くと



『いって〜！』





なんてわざとらしくそいつは声をあげていて。


周りの男もみんなニヤニヤしてる。


は？なにこいつ。






「は？」




思ったことを口に出すと、そいつはポカーンとしている。






「ざけんなよわざとぶつかっただろお前」





そう言うと、取り巻きの男たちが何やらヒソヒソと会話し出した。



なにやら、“唯”という単語がチラチラと聞こえる。





『い、行こうぜ、佐々木』

佐々木「お、おう...」







「...？」



なんだったんだほんと。

ていうか佐々木っていうのかあいつ。



「(名前覚えたからな...)」





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