双子、今日もお騒がせします。【hgs】

18.変な人 ページ18

gn side




「わぁーっ」




最後に、見えたのは



思いっきり俺の胸に飛び込んでくる、


Aさんの楽しそうな笑顔だった。








ドサッ






言「っ、....」





倒れないようにぐっと力を入れる。


幸いにも塀はそんなに高くなかったため、転んだり尻餅をつくことはなかった。





言「....大丈夫？」




今見えてるのは俺の腕の中にいるAさんのつむじだけで

どんな表情してるかわからなかった。








「...くっ、」



「ははははっ」




言「！？」






ぶはっと顔をあげてAさんは笑い出す。







言「(な、なんなんだ、この人....)」




「やばっ！15年間生きてきて初めてだわ、塀の上から落ちたの！」



「てか、東くん大袈裟すぎ！

スカイダイビングくらいの飛行距離の受け止め方！」





言「え、全然例えがわかんない...」







俺が戸惑ってる間もAさんはずっと笑ってて。






「ははは、ごめんねありがと」






そう言ってAさんは俺からスッと離れて


性懲りもなくまた塀の上に登っていた。






言「もー、危ないよ」





「だいじょーぶだいじょーぶ

私、運動神経いいから！」





はぁ...とため息をつきながら


楽しそうに歩くAさんを後ろから追いかける。







「それに、落ちても言ちゃんが受け止めてくれるっしょ？」




言「....っ、」






“言ちゃん”






あまりにも不意に名前を呼ばれたから


心臓が、ドキッとした。







言「(もう、本当になんなんだ、この人は)」






「言ちゃん得意な科目なにー？」




言「...国語」




「わー私と逆」





なんでそんなに平気で話し続けられるんだ。



さっき、ハグ、したも同然なのに








「今度国語教えてよ〜」



言「....やだ」



「えーなんで」






なんか、



なんなんだ本当、



本当に、変な人だ。Aさんは。





言「(...調子、狂う....)」







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