12.必要な痛み ページ12
.
「...誰かに、そうやって言われたの？一緒に居すぎだって？」
唯「違うよ」
唯の、まっすぐな声が
心に刺さって痛い。
唯「でももう、一緒に登下校するのは終わり」
「...っ、」
唯「私たち、高校からは違う世界を見るべきだと思う」
唯の声は
本気だった。
あまりにもきっぱりそう言うから、私は
「....っ」
唯「っ、A！」
「来ないで！！！」
階段を勢いよく駆け上がって、自分の部屋に逃げ込むことしかできなかった。
バタンッ
「うっ.....ぐすっ....」
私の、世界は
全部唯だったのに。
今までずっと
一緒に、一歩ずつ歩いてきたのに
「ふっ、うぅ.....」
なんで急に、私を置いて進み始めるの
なんで、私を置いていくの
「う、ひっく....」
私たち、2人で１つだったんじゃないの
1人じゃ私、...
進んでいけないよ...
-
No Side
Aが去った後も、唯はずっと階段を見つめ続けていた。
母「...唯、ほっときなさい」
唯「....でも、...」
母「あの子も、大人にならなきゃ駄目よ」
唯の言葉を遮って母はそう告げた。
唯「私、言い過ぎちゃったのかな...」
母「...大人になっても、いつまでもずっと唯がAを守ってあげるつもり？」
唯「....」
唯はぎゅっと手を握りしめた。
唯の右手には、少し大きな火傷の跡がある。
数年経って、だいぶ綺麗になってはいるが。
これは幼少期、Aが熱々のやかんをひっくり返したときに、唯がAを庇ってできたものだ。
テニス部の時も、いろいろなことがあった。
唯はいつもAを守っていた。
母「あの子も、そろそろ姉離れしないとでしょ」
唯「....うん.....」
唯「ママ、お皿出すの、手伝うね」
母「はい、ありがとうね」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 186人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はぐきぐきぐき(プロフ) - ぷよーこさん» ぷよーこさん、いつも読んでいただきありがとうございます😖💖ゆっくりではありますが更新していけたらいいなと思います💖応援ほんとに力になります！！ (4月17日 22時) (
レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
ぷよーこ(プロフ) - どんどんお話が進んで行って、ワクワクドキドキしながら読んでいます。今後も、ご無理なさらないペースで更新いただけると嬉しいです。 (4月4日 18時) (レス) @page40 id: 7d400068d9 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 蚊に刺されさん» 蚊に刺されさん、コメントありがとうございます💖これからも4人の行く末を見守っていてください☺️ (4月3日 20時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
蚊に刺され - 今後の展開気になる〜!!!応援してます (4月2日 10時) (レス) id: 99eb40f4e9 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 野桜いちごさん» 野桜いちごさん、コメントありがとうございます💖応援本当に力になります🥲これからも読んでいただければ幸いです☺️ (3月31日 22時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はぐきぐきぐき | 作成日時：2024年1月28日 21時
