100.高校2年生、秋 ページ4
-半年後-
桜「Aはやくーー食堂混んじゃう」
「ふぁーい...」
桜「もーまた授業中寝てたの!?」
「うん〜...走ってくから、先行ってて」
桜「はいはい、席取っとくから早く来てよ?」
「はーい」
のそのそと体を上にあげ、国語の教科書をカバンの中にしまう。
お昼ご飯を出そうとリュックのチャックに手をかけた時、少し遠くにいる大谷くんと目があった。
大谷くんは、ニヤニヤしながらおでこをちょいちょい、と指さす。
「...?」
怪訝そうな顔をすると、大谷くんはおかしそうにケラケラ笑っていた。
なんだあいつ、
そう思いながら駆け足で教室を出る。
フルスピードで廊下を駆け抜けている途中、鏡がぱっと目に入る。
そこには、
「ぬぁっ...!?」
おでこが真っ赤になっている私が映っていた。
さらに、ほっぺにも寝ていた時の跡がくっきりとついている。
大谷くんは、これを見て笑ってたんだ、と分かった瞬間頬が赤くなるのを感じた。
半年経って
私と大谷くんは、完全に元の関係に戻っていた。
まるで、何もなかったかのように。
-食堂にて-
ちはる「えー、じゃあまた直江と喧嘩してんの」
光里「喧嘩じゃないし」
ちはる「じゃあ無視すんのやめたげなよ、見てるこっちが可哀想」
光里「....わかったよ、
てか、桜はどうなのよ、高橋くんと」
桜「えっ私、!?」
「それ私も気になってた」
この半年間で、いろいろなことが変わった。
一つ、光里と直江くんが付き合い出したこと。
二つ、新入生の、高橋くんこと、高橋宏斗が桜に猛アピールしてること。どうやら、部活の勧誘で桜に一目惚れをしたらしい。
「あ、高橋くんいるじゃん」
少し遠くの方に、一年の男子の軍団に高橋宏斗がいるのが見える。
桜に気がつくと、
高橋「白雪せんぱい!」
と言ってこちらにブンブン手を振っていた。
桜は少し恥ずかしそうに、控えめに手を振かえしていた。
光里「ひゅ〜」
ちはる「最初はすぐ諦めるかと思ってたけど、意外と長続きしてんだね」
桜「いや〜わかんないよ、告白されたわけでもないし、....」
なんて言いながら、まんざらでもなさそうな顔をしている桜。
実際私は、高橋くんに感謝していた。
高橋くんの存在が、
桜の中の大谷くんを消してくれたら、なんて
あの日からもう半年以上経つのに
私の中の大谷くんへの気持ちは、少しも小さくなっていないようだった。
.
987人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 桐山めぐさん» めぐさんいつもありがとうございます!待っていただいて本当にありがとうございます( ; ; )これからも楽しんで読んでいただけるよう頑張ります☺️ (12月27日 0時) (レス) id: b1c2e7a752 (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 続編おめでとうございます✨更新ホントにありがとうございます!また読めるのがめちゃくちゃ嬉しいです!!続きも楽しみにしてます✨✨応援してます😊 (12月25日 20時) (レス) id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はぐきぐきぐき | 作成日時:2023年12月25日 19時