絶対君だよ

57.視線 ページ9

藤浪Side









あいつが好きだと気づいてから俺の日常は一変した。




気づいたらいつもあいつを探してるし、授業中もずっとあいつのこと見てるし、どんなに大勢で話していてもあいつの声だけ耳が反応する。



そして、最も重症なのがこれだ。








「おはよ、藤浪くん」


藤浪「おー...」






あいつの後ろに、大量の薔薇の花が見える。



なんなら後光がさしてるんじゃないかってくらい輝いて見える。




あいつが笑顔を見せようもんなら俺は直視することができない。











「なに、私の顔になんかついてる？」


藤浪「いや別に、」







こいつこんなに可愛くて大丈夫なのか？誰かに攫われたりしないのか？









藤浪「A可愛いなーと思って」




「...は！？」






みるみるうちに真っ赤になっていくA。



嘘だろ、もしかして可愛いって言われ慣れてないのか？こんなに可愛いのに？






「もう、冗談はいいから！！」


藤浪「冗談じゃない、本気」






じーっと見つめるとAは真っ赤になりながらアワアワしていた。







「今日の藤浪くん変！！」





変。



確かに、変かもしれない。





どんな表情でも、どんなにラフな格好でも




Aが可愛くて仕方がないんだもんな。















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-放課後、部活-









野球部の練習場所と陸上部の練習場所は近いので、Aが走っている姿をここからでも見ることができる。






どんな時でもAは可愛いけど







走っている時は本当にかっこよくて








一番キラキラしていて








俺は走っている時のAが一番好きだ。








藤浪「(...こっち見ないかな)」







なんて、無理な願いか。











Aをずっと見ていて



気づいてしまったことがある




それは













藤浪「(...また見てる)」











君の視線の先にいるのはいつだって大谷だってこと。










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