絶対君だよ

55.正解 ページ7

大谷Side










俺は、きちんと桜の”彼氏“ができているのだろうか。






桜と付き合っていることをクラスメイトや野球部のやつらに毎日のように羨ましがられるけど






俺自身は“付き合う”ことのどこが良いのか全然わからなくてどこかもやもやした気持ちを抱えたままだった。







元旦の初詣デートに誘われた時





ほんとは家族とゆっくりしたかったけど





桜への罪悪感のようなものが働いてオッケーしてしまった。











-










桜「あけましておめでとう！」


『おめでとう！』






元旦の日会った桜は相変わらず可愛かった







でも、びっくりするぐらい薄着でこちらが心配になるほどだった。








『(女子って冬でもみんな薄着だけど、寒くないのかな...


足とか出してるのを見るとこっちが寒くなる...)』









俺が着てるコートを渡した方がいいのか？



これは彼氏として”正解“の行動なのか？




なんてぐるぐる考える。





その時




一番に君が目に入った来たんだ








「お姉ちゃん待ってよ！」









まさか、こんなところで会うなんて。









君は、いつもよりラフな格好で



重ね着しすぎて雪だるまみたいになっていた。



ついふっと頬が緩む。






マフラーを貸した日のことを、すごく懐かしく感じた。











桜「はやくいこっ」


『...！う、ん』






桜にグイッと手を引かれて我に帰る。



俺の顔を見つめてニコッと笑う桜。



繋がれたあまりにも小さい手。











間違いなく可愛いと思うし、守りたいと思う。






けど、





けど.....







『(なんだ....)』










なんなんだこの得体の知れない気味の悪さは。





俺は、どうしたいんだ。







.

56.向き合うこと→←54.空虚

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す