絶対君だよ

83.ばいばい ページ36

大谷Side





大谷「っ、え、....」





桜から発せられるとは思っていなかった言葉に




理解が追いつかなくて




口は動くのに、声が出ない。








桜「ごめんね」









桜は、笑ってるのに




今にも涙が溢れそうな顔をしていた













桜「翔平の心の中にいるのは、私じゃないんだよね」







大谷「な、....」







言葉が、思いつかない




なんて、




なんて言ったらいいか、











桜「ごめんね。ほんとはずっと分かってたの」







桜「私、翔平のこと縛りつけてたよね」






大谷「ちがっ、縛りつけてなんか...！」








縛りつけられてなんかない。


本当に。


これは嘘じゃない。







でも







俺にそんなこと言う権利があるのだろうか







俺は






桜になんて声をかけたらいいかわからなかった。










桜「大好きだったよ。ありがとう」










大谷「っ、俺の、ほうこそ、




こんな俺を好きになってくれて、嬉しかった。




ありがとう、本当に、....ありがとう」








俺がそう言うと




桜は、少し俯いた後










桜「〜〜もう、


別れる子に、優しくしないで！ばか！」








そう言って、笑いながら俺のことをぽかっと叩いた。




桜の目には、涙が滲んでいた。











桜「ばいばい、大谷くん。幸せになってね！」








そう言って、桜は俺に背を向けて走りだす。








大谷「っ！白雪も！」








白雪が遠くへ行かないうちにそう言ったけど







俺の声が届いたかどうかはわからなかった。










大谷「.....」






....白雪に、言わせてしまった。








ため息が漏れる。


















大谷「...俺、最低だ....」










桜Side







桜「あーーーっ、終わった終わった」









翔平から離れた場所まで来た後、トボトボ一人で歩く。



一人になった瞬間ぼろぼろ溢れてくる涙。









桜「終わっちゃったよ、本当に.....」







ずずっと鼻水をすする。





その時、ポケットの中で携帯がブルブル震えた。








携帯がなったと同時に画面をパカっと開く。



これは、返事が遅い翔平と付き合い出してついてしまった癖だ。



1秒でも早く、翔平の返事が見たかったから。





携帯の画面を見てハッとする。









桜「....」





翔平なわけないのに。



何してんだろ、私....







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