76.自分次第 ページ29
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ピーッッ
「はぁっ、はぁっ.....」
18-12から全く点差が動かなくなっていた時
タイムアウトが取られた。
「はぁ...っ、はぁ、はぁ....」
息が荒い
突き指したところが、ドクドクと脈打っている。
「....っ、」
痛い、...
全然、調子が出せていない
「(だめだ....)」
このままじゃ、負ける
「はぁ、はぁっ.....」
体は動きを止めているのに
心臓の鼓動の速度はどんどん上がっていく
「(落ち着け、落ち着け...!!!)」
まだ時間はある、まだ負けてない、
「(....ほん、とに....?)」
だめだ
勝っている自分が全く想像できない
「(どうしよ、う、どうしよう、....)」
このままじゃ私のせいでチームが負ける
いや、嫌だ、そんなの耐えられない
「(....終わりだ....)」
メンバーチェンジするしかない
そう思って、
目の前が真っ暗になった
その時
『____Aさん!!』
「っ....!」
君の声が聞こえて
顔を上げると、そこには
一目散に私に向かって走ってきている大谷くんがいた。
『っ、これ、!!』
「わ、つっ、めた....!」
私の元へ走ってきた大谷くんは
腫れた指に優しく氷嚢を当ててくれた。
『よかった、間に合って、....』
大谷くんの息が荒い。
きっと、保健室まで取りに行ってくれたんだ。
「....ご、めん....」
自分が、情けない。
『....』
大谷くんは、ただ静かに私の指に氷嚢をあてて
『....やれる?』
と、一言私に聞いた。
「....」
その時
一つの言葉を思い出した。
「....“やれるか、やれないではなくて、....”」
大谷くんがにやっと笑う。
『「“自分次第”」』
ピーッと、タイムアウトの終わりを告げるブザーがなる。
大谷くんは、ポンと私に肩に手を置いて
『大丈夫』
とだけ、言った。
泣きそうなくらい、優しい笑顔だった。
「....」
こくりと頷き、コートに戻る。
もう、さっきまでの取り乱した私はどこかへ消えていた。
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私の好きな大谷選手の名言を使用させていただきました。
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はぐきぐきぐき(プロフ) - 桐山めぐさん» 好きって気づいた途端余計に素敵に見える...なんだか藤浪くんにも同じようなことがありましたね笑続編に移行になるので、そちらでもよろしくお願いします❤️ (7月23日 18時) (レス) @page50 id: 7acbc31d9a (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 好きって自覚した途端その態度はいけませんねぇ、、気持ちはわからなくもないですが(*^_^*)好きって自覚した途端余計に素敵に見えてしまうものですもんね☆2人がもっともっと近づきますように(^_^) (7月23日 10時) (レス) id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 桐山めぐさん» めぐさんいつもありがとうございます❤️藤浪くん、本当にいい人ですよね( ; ; )大谷さん、やっと自覚しました!!この後どうなるかも見守っていてください💖 (7月23日 1時) (レス) @page47 id: 7acbc31d9a (このIDを非表示/違反報告)
桐山めぐ(プロフ) - 更新ありがとうございます!藤浪くん、、あなたは全然嫌なやつではありません!むしろいいやつ過ぎて、、泣ける(ToT)主人公ちゃんも桜ちゃんに伝えるのは躊躇しますよね、、 大谷さんもやっと自覚しましたか!この後も目が離せません!続きも楽しみにしてます(*^_^*) (7月9日 0時) (レス) @page45 id: bb3023c008 (このIDを非表示/違反報告)
はぐきぐきぐき(プロフ) - 桐山めぐさん» 桜ちゃん、絶対自分から別れを告げたくなかったはずなのによく頑張りました🥲これからの大谷くんに期待したいですね...!読んでいただきありがとうございました♪ (6月24日 14時) (レス) @page39 id: 7acbc31d9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぐきぐきぐき | 作成日時:2023年5月3日 14時