絶対君だよ

71.このままで ページ24

ASide







『俺こそ...ありがとう』





ふんわりと大谷くんが優しく微笑む。







『Aさんの声で、頑張れた』






そっか



私の声、届いてたんだ







「よかった！」









満面の笑みを大谷くんに向ける。





...今は、これで十分。







「明日も絶対勝つぞ〜！！」



『おー！』





『男子サッカーと女子バスケで目指せダブル優勝！』





「当たり前じゃん、優勝しか見てないから」





『ははは、体育祭の時と同じこと言ってる』





「私が負けず嫌いだってこと、誰よりも知ってるんでしょ？」





『もちろん』








どちらからともなくグータッチをする。






にかっと笑うと、大谷くんも同じように笑い返してくれる。






「へへっ」


『なんだよニヤニヤして』


「べつにぃ」








あ〜〜〜、やっぱり、私、大谷くんが好き。




すき、すき、大好き！





「(ああ〜〜〜)」





君が好きだと




今すぐ、叫んでしまいたい。




できることなら、抱きしめたい。





なんて、





そんなこと、言えるわけもなく。




ただただ、時が止まればいいのにと願うだけだった。







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-球技大会2日目-






桜Side





ドッジボールの初戦。





さっそくボールを当てられた私は外野でぼーっとする。







「っしゃ！」

ちはる「Aナイスー！！」









A、すごいなぁ




どんどん敵チームにボールを当ててる。







このままだと桜が何もしないでもうちのチーム勝つだろうなぁ








女の私から見ても、超かっこいい。




ふと2階の応援席を見上げる。






翔平は、熱心に試合を応援していて。








桜「(目、全然合わないなぁ....)」








『いけー！！ナイスー！！』

「Aー！！」

「超カッケェー！！」







Aが相手チームの子にボールを当てた瞬間、わっと盛り上がる翔平達。








桜「....」






Aが2階席にVサインを送って




翔平も、笑顔でそれに応えていて。











桜「(翔平、....)」








そんな顔で、笑うんだね....











桜「(....私....)」









...このままでいいのかな.....













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