女はいつだって本気で恋をするものなのです。 (ページ4)

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3話ページ4

キラッキラなイケメンがいる。

入社当初から、先輩達の話はそれで持ち切りで。
女達は男性社員の品定めしかしてないのかと呆れたもんだ。

でも自分の配属された部署に
入った途端。

｢はじめまして。課長の櫻井です。よろしくね。｣

確かにキラッキラだった。

ニッコリ笑った瞬間サングラスが
欲しいくらいにキラキラーッ！！ってした。

私もなんて単純だったのか。
一瞬で堕ちた。惚れた。情けない。

それは私だけじゃなく、他の新人もだし
もともといる女の先輩達もで。

女性社員の間では暗黙の了解。
櫻井課長はみんなの王子様。

遠くから見てるだけ。

コピー頼まれたりとか、お茶くみとか。
そういう作業の時に独り占めできたら満足。

ありがとうって笑顔を
至近距離で見るとね、心臓潰れるんじゃ
ないかって不安になったよ。

パソコンのタイピングが異様に速いとか
話術が巧みで取引先の心を掴むのが上手とか。

見れば見るほど素敵な人で。

女達はみーんな。櫻井さんに夢中。

でも櫻井さんは仕事が1番！って
感じで、さり気なく誰かが誘ってみても
悪気ない笑顔でスッパリ断られてしまう。

女っけがないってことだから
それはそれで安心なんだけど。

そう思ってたのに。

現実は。上手くいかなかった。