恋なんてしないはずだった【国見英】

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嵐が過ぎ去ったあとのように

私たちは騒然とした空気に包まれた。





これで、私はあの長い苦しみから

やっと開放される



そう思うと、

安堵から急に力が抜けた。


思ったよりも

相当精神的に疲れていたらしい。



国見「大丈夫？」

「少しふらついただけだよ」


1年「Aさんまだ体調良くないんじゃ？」

2年「無理しすぎは良くないですよ」


「ほんとに平気だよ、ただ一気に話しすぎてちょっと疲れただけ」





色々すり減って

心に余裕が無くなりそうだったけど、


聞きたかったことを

聞くことが出来た気がした。





「青城バレー部(わたしたち)はまだ何も終わってない。」

及川「Aちゃんは、それでいいの？」

「だって、徹たちが守ってくれるんでしょ？」





本当に嬉しかったんだ。

守ってくれるって言ってくれたこと。





全部全部水に流してもいい

そう思えるくらい心地いい響きで、


この人たちをサポートし続けたいと

前よりさらに思わされた気がする。





「私が辞めるって選択肢はもう無いよ。だから、今日からまたよろしくお願いします。」

及川「Aちゃん！！ほんとにごめん」

岩泉「すまねぇ、俺らが全部悪かった」




徹と岩ちゃんからの謝罪を皮切りに

四方八方から

謝罪の言葉が聞こえる。



なんだか今日は謝られてばかりで、

まったく変な気を起こしそうになるよ。







「もう謝らなくていいよ、怒ってないし」

及川「でも、」




皆がバツの悪そうな顔をして

こっちを見てくるから

何だかむず痒くなってきた。



それに、こういう所で

変に律儀だからほんとに困っちゃう。






「あーもう分かったよ！！」






そんなにバツが欲しいのかと

思わず聞きたくなったけど、


イエスなんて言われたら大変だからやめた。


応えられても

生憎バツを与えるつもりは

サラサラないから。





「じゃあさ、私のお願い聞いてくれるってのでどう？」

花巻「おお！それなに！？」

松川「面白そうだから俺もノッた！」





ノリがいいのは嫌いじゃない、

むしろ好き。







「私を、全国に連れて行ってよ」





及川「何それやるしかないじゃん」

岩泉「おう、やる気出てきたわ」


花巻「打倒白鳥沢」

国見「まず烏野」


及川「現実に引き戻さないでよ2人とも」

「夢は大きい方がいいよ」






みんなで見る夢は

もっともっと大きくないとね

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