恋なんてしないはずだった【国見英】

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岩泉「おい、いくらなんでも言い過ぎだ」

「うるさいなあ」





私が問い詰めると

予想通り香恋ちゃんを庇う声が上がった。





それが、よりによって


長年の付き合いである

岩ちゃんからだったことが口惜しい。






だからといって

ここで食さがる訳には行かない。







岩泉「お前いい加減にしろよ」

「口挟まないでよ」






及川「岩ちゃん落ち着いて！！」







そんなこんなで

言い合いをしている私たちの間に


徹の仲裁が入った。









及川「Aちゃんもどうしちゃったの？らしくないよ。」

「らしくないって何？」

及川「それは、」

「いつもみたいにすぐ謝らないから？」







YESともNOとも言わない徹に

私は痺れを切らして


遠慮なく言葉を続ける









「ねぇ、勘違いしてない？私が気の弱い大人しい性格だって。」






無理もない。



青城(ここ)では

確かに面倒事が起きたら直ぐに謝っていた。





私のことをよく知らない人は

そんな私を気の弱い大人しい性格だと


思わざるを得ないだろう。








花巻「あー香恋ちゃん泣いちゃったんだけど」

「なんで香恋ちゃんが泣くの？」







私まだ香恋ちゃんには

言いたい事の半分も言ってないよ。





そもそも、

泣いたら許されると思ってる？





そう思っているなら、

どれだけ甘やかされてきたのか。








「ねえ、なんで泣いてるのって聞いてるの」

香恋「だっ、だって……」

「はぁー、泣きたいのは私の方なんだけど」







香恋ちゃんになにか問いかけたところで

無駄だと判断した私は






徹や岩ちゃん、

他の部員のほうに目を向けた。







「今まで1度も話し合ったこと無かった」

及川「そう、だね」

「だから話し合おう。話し合っても状況が変わらないなら私は潔く退部するから。」







行動してダメなら

もう諦めるしかない。




だけどまだ希望があるなら

もう一度だけ信じてみたいと思う。








「だけどその前に、言っておきたいことがある」

及川「なに？」

「私は入部したあの日から、みんなを支えたい気持ちも青城バレー部(ここ)が大好きなことも変わってないよ。」

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