バレーはもうやめた1

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及川



昔、大好きだった女の子がいた



その子はバレーが大好きで、俺と同じセッターで


とっても可愛いかったから、みんなの人気者





そんなあの子が突然消えた





その年の冬




その子の事はたちまち話題となった



最強だとか、天才だとか謳われていた宝は




バレー界から盗まれた




もちろん俺は必死に探した



連絡も繋がらず、自分の事をあまり話さない子だったから家も知らなくて



ただ、ひたすら繋がりもしない連絡先に何度も電話をかけた



その度に虚しさと孤独感が一気に押し寄せてくる



もう一度見たい、あの溢れんばかりの笑顔を



そんな時から約一年が過ぎ、



やっと立ち直れると思った矢先に



君は現れた



昔の長い髪は切られていて、



ハツラツとした笑顔の面影もなく



何か、大きな不安を抱えている様なそんな顔で



こっちを見ていた




呼びかけても君は俯き、すぐ逃げてしまった




追いかけられなかったのが現実




でも、やっと見つけた




ずっと探してた



どこで何をしていようが関係ない




君はあの時のまま、俺の大好きな子だよ








いつか、もっとバレーが上手くなって、君を追い越したら





この思いを伝えるから、その時まで




待っててね




Aちゃん

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