ゼロからはじまるストーリー

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指定された時間に知事室へ行くと、中にはたくさんの黒服の人がいて、あまりの迫力に驚いてしまった。

そして今後一生ないだろう、護衛官に囲まれて移動、というのを体験したあと、私たちはTOKYO MERのスタッフルームへ向かった。

赤塚知事が部屋に入ると、MERのメンバーの人たちは驚いていた。

そんな中、尚さんは私たちのことを見るや否や、赤塚知事に挨拶もせずどこかへ行ってしまったけれど。

「……どうして」

「皆さんの活躍に感謝して表敬訪問です」

赤塚知事は、医師や看護師の人たちといくつか話をしたあと、喜多見さんと、先ほど会った高輪千晶先生を連れて、部屋の隅に移動した。

私もついて行った方がいいだろうかと悩んでいると、赤塚知事から少しだけ席を外してほしいと頼まれた。

MERの今後についてでも話し合うのかもしれない。
いや、そうだとしたら高輪先生も同席する必要がないし、喜多見さんだけでなく、MERメンバーを全員集めて話し合いをしたほうが良いはず。

じゃあ、一体何を話し合っているのだろう。聞き耳をたてるのは……流石にお行儀が悪いか。
しばらくスタッフルームの入り口近くに立っていよう。





しばらくして、今日の晩御飯何にしようかな、なんて考えていると、 喜多見さんの携帯に尚さんからの着信があり、MERに出動要請が入った。
場所はこの病院、エレベーターの中に議員の人と妊婦の方が閉じ込められているらしい。

正直、MERを出動させるほど危険な状態ではないように思えるけど、喜多見さんたちは赤塚知事から出動許可を得て、病院のエレベーターに向かった。

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