ダメダメ鬼【逆ハ】

ダメ22 ページ22

…

『…女の方ですか？』



「もし私が女ではない生物に見えるのでしたら、貴方の目は随分狂ってらっしゃるようですね、」



『ご、ごめんなちぇ…』



だ、だって黒髪の子まえ男の子だったじゃん…

そんな言い訳も通じるわけなく目の前の女の人は相変わらず私への当たりがきつい

そろそろ悲しいしメンタルもきついけど


まあ、この人も随分鬼を恨んでいるという事だろう。
仕方ないか、それは。

私じゃどうしようもない事だし

…今はとりあえず2人の空間気まづすぎるからどうにかしたいわ。

と思っているとまたも心を読んだように
その人は立ち上がり病室を出ようとしていた


「……どうやらあなたにお客が来たようなので。これで私は失礼しますね」




『え！？ちょ、ちょっと待ってください！』




「………………何か。」




『あの、なんていうか。ほんと、ありがとうっていうか、ありがとうございます』




「…どういたしまして。」




小さくだけどそう言ってくれた。
なんだ、きちんとしたいい人じゃん

安心したや、ここの病室にいても首切られること無さそうだし

はぁ、と一息つこうと思ったのだが また突然私の目の前に現れたその人によって

一息どころか私はまたメンタルを削られることになる






『きゃ、客って…、れれ、れん、』




「首の方は大丈夫か！」




『いやァァァァァァ戻ってきて！！！！！！黒髪の女の方！！！！！』



「ははは！元気があって良かった！！」



『な、なんで笑ってられんだこの人…』



「よもやよもや。すまなかったな、昨日の晩は」



『いやほんとに
虐めるの好きな殿方か何だか知りませんけど痛いからもうやめて欲しいです』




よっしゃ！言ってやったぞ！！！

私だって言おうと思えば言える子！いつまで経っても勇気でなくて言えない子でいられるか
まあそう思いながらも怖くて煉獄さんの顔見られないっていう
相変わらずヘタレは治らない




「………」




やけに沈黙が長い。え、怒ってんの？
どうしよ、ヤバい？ガチギレ？また死にかけるの？鬼カスが歯向かうなって？
え、え、私逃げた方がいいよね

ど、どどどうやって逃げよう。床下ってどこでも穴あくのかな


もう慌てに慌てまくって頭真っ白になりかけてきたとき
煉獄さんの手が私に近づいた

やばい、また首やられる。と思ってギュッと目をつぶるが
苦しさも、痛みも来ない。

代わりに 頭に大きい手が乗っている。煉獄さんの大きくて暖かい手が。

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