獅 子 奮 迅 Final 【不死川実弥】

ずっと ページ47

現実味を帯びない


まだ夢を見ているのかな。




プロポーズされて、2年。







大学卒業と共に長年の私たちの夢が叶う、今日。







ここまで長かったね。









薄桃色のブーケと

幻のように透けるヴェール





少しでも動く度に柔らかく揺れる





ウェディングドレス







真っ白な教会



見渡せば、ずっと私たちを見守ってくれた仲間たち

みんな笑って祝福の言葉を投げかける。







共にバージンロードを歩くお父さんは涙ぐんでるの。









そして、





最愛の人が、今目の前に。






「A、綺麗だ」



『実弥も素敵』








晴れやかな顔で私を見つめる。








あなたが優しく笑うから



私も笑い返すの。









100年前のわたしたち。



見えていますか？




聞こえていますか？




日輪刀はいりません。


隊服なんて着ません。









100年かかったけど





いま、私は世界一幸せです






あの頃の私たちが守った世界は美しい。









そして、世界一の旦那さんのお嫁さんになります。







今日だけは、この世界の幸せ全部私たちの二人占め


1度の別れなんかで終わってしまうような私たちじゃない。


あなたの泣き顔も笑顔も全部私のモノで。



同じものなんか何一つない、帰らない季節達。

その全てが美しい。



何一つ戻らないからこそ

儚くも愛おしい


そんな世界であなたと出会って



何度も泣いて、笑って、怒って




明日どうなるかなんて一切分からない。

だから面白い、だから生きていたい。









どんな困難がこれから訪れようと、


神様が私たちを引き離そうとしても




絶対に彼の手を離しはしないと






『誓います』









．









．









あなたもそうでしょう？実弥。

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