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「随分とギャラリーの多いお見送りだなァ？」
ポケットに手を突っ込んでダルそうに近寄ってきたのは、実弥と玄弥。
玄弥「兄貴、俺やっぱりあっち行くよ、最後は2人で…」
「バカ言ってんじゃねぇここにいろ」
『そうだよ玄弥、寂しいこと言わないで？』
玄弥「うん、分かった」
気遣い屋さんの玄弥を引き止めて2人に向かい合う。
『あは、こうやって面と向かっちゃうと何言えばいいか分からなくなっちゃうね』
「わざわざしんみりする必要もねェ、喝入れに来たんだ。だから玄弥、んな顔すんな」
玄弥「…ッごめん、うぅ」
『やめてよ玄弥、泣かないで？』
でかい図体で鼻水垂らして情けなく泣いている玄弥。それが面白くて思わず笑顔になってしまう。
『帰ってきたら、また3人でご飯食べよう。だから私がいない間また喧嘩したら怒るからね！』
玄弥「しないよ、俺も料理の練習するから、Aさん気をつけて行ってきてね」
かつて玄弥がしてくれたように、今度は私が玄弥の涙をハンカチで拭う。
そんな私たちを実弥は目を細めて嬉しそうに見ていた。
「ほら、そろそろ飛行機の時間だろ、玄弥もいい加減泣きやめ」
玄弥「うん、ごめん」
搭乗口に向かうゲートにはゾロゾロと人が集まっていた。
『じゃあ、行くね』
あ、やばい、いざ行くとなると泣きそう。
でも、今日のためにいっぱい泣いたんだ、もう大丈夫。くるりと背を向けて歩き出した。
「A」
『…な、』
名前を呼ばれると同時に引き寄せられて、実弥の大きな身体に抱きしめられた。
まるでドラマのワンシーンのようなその時間。
「いまからとんでもなく恥ずかしいこと言う。1回しか言わねぇからちゃん聞いてろよ」
『う、うん』
「…どこにいても俺はお前を思ってる、Aのことを愛してる。俺は辛い時にお前のことを思い出す。Aにとって励みになるかは分かんねぇが、俺を思い出して前を向いてほしい」
ずるい人だ。
「もう会えない訳じゃねぇんだ、お互い成長してまた会おうぜ」
そんなこと言って、私が泣くって分かってるくせに。
たまらなくなって、ジャンプして実弥に飛びついた。
しっかり私を抱っこして、くるりと1周まわって
視線を絡める。
泣いている私と、珍しく涙目の実弥。
『あなたに恥じない成長をしてまた戻るから』
「あァ、楽しみだ」
『実弥を思って頑張るね』
『愛してる』
感情のまま、キスをした。
『行ってきます！』
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rann(プロフ) - すべて読ませていただきました！キャラクターとの会話が一つ一つ深くて…もう言葉では言い表せないくらい素晴らしい作品でした！更新を追って見れなかったのが悲しいです…素敵な時間をありがとう！ (10月6日 2時) (
レス) @page50 id: 22b59ed309 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - 柑橘蛍さん» コメントありがとうございます。あの二人は一生一緒なんです、なにがあっても(;_;) (2021年2月6日 19時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
柑橘蛍(プロフ) - 不死川さんと…また…一緒に…（尊死） (2021年2月5日 16時) (レス) id: c6603d0c65 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - 冬の瑠璃さん» ありがとうございます(;_;)知らないフリ、も読んでくださり嬉しいです。なんとなく話の構造は練れてますのでもうしばしお待ちください、、！ (2021年1月9日 23時) (レス) id: 950c111f3d (このIDを非表示/違反報告)
冬の瑠璃 - とても感動しました！私、“知らないフリ”も見てます！大ファンです！お話待ってます！ (2021年1月8日 18時) (レス) id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
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