43 ページ45
「ええっと、しのぶちゃんお知り合い?」
固まるしのぶと粂野店長を見かねた蜜璃ちゃんが尋ねた。
「お知り合いというか…。この方も鬼殺隊で、怪我をするとよく蝶屋敷にいらしてたんです。むしろAさん、面識なかったのですか?」
『え?どういうこと?』
「粂野匡近さん、不死川さんの兄弟子さんですよ」
『え、えええええ?!』
しのぶと蜜璃ちゃんとの再会に浸る間もなく飛んでくる新事実に目眩すら覚える。
「多分Aちゃんと実弥が前世で会う前に俺が死んじゃったんじゃないかな」
愉快そうにケラケラ笑う粂野店長
『そうだったんですね…』
実弥を、鬼殺隊に入れてくれた人。
今の実弥を作り上げてくれた人。
「Aちゃん、実弥からよく話を聞いていたよ。まさか実弥が探していた獅子柱さんがAちゃんだったとはね!」
灯台もと暗しだよ!と笑った粂野店長。
「鬼舞辻との戦いで死んじゃったんだってね。よく頑張ったよ。偉いね」
ぽすん、と頭を撫でられた。
『ううう…、泣かせないでください』
あの戦いについて褒められたりすることなんてはじめてで、感極まって涙が溢れる。
『偉くなんかないです…実弥を置いていってしまったのに…』
「…それは俺も同じだよ。だから、今世は俺たちで実弥を幸せにしてあげようよ」
目線を合わせるように屈んだ粂野店長の目はとても優しかった。
実弥の優しさはここから来てたりもするのかな。
「立ち話もあれだし、しのぶちゃんと蜜璃ちゃん座って座って!もう今日は店を閉めて昔話といこう!」
明るい声でそう言った粂野店長の提案に私たち3人は大きく頷いた。
「楽しかったわー!お菓子もいただいちゃって、ありがとうAちゃんと粂野さん!」
すっかり夜遅くなってしまい、お開きとなった。
美術大学に通う蜜璃ちゃんは今世は伊黒さんと無事お付き合いをしているそうで、車で迎えに来てくれるそう。
「貴重なお話が聞けて楽しかったです、ありがとうございました」
上品に笑ったしのぶは実弥や玄弥と同じキメツ学園に通っていているそう。
カナエさんに挨拶したいと、粂野さんがしのぶを家まで送ることに。
「実弥にも会っておきたかったけど、2人の時間は邪魔出来ないからね!」
相変わらずニコニコしている粂野店長。
実弥が迎えに来てくれるまで一緒に待ってくれようとしていたけど、遅いから丁重にお断りした。
「あ、伊黒さん着いたって」
蜜璃ちゃんはスマホを見てにっこり笑った。
436人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パチ麻呂(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます!近いうちに続編公開致します、もう少しお待ち頂ければ幸いです! (2020年7月5日 0時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - とっても面白かったです。続きも楽しみです! (2020年7月4日 20時) (レス) id: 7a18dbf6fa (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます!次の章まで時間が空いてしまうかもしれませんが、幸せな2人がかけるように準備頑張りますので、楽しみに待っていてください(;_;) (2020年7月2日 5時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています!!優しい実弥さんも夢主さんも絶対に幸せになってほしい(*´∀`*) (2020年7月2日 3時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - ぽんちゃんさん» 夢主ちゃんの家庭ならありそうですけど、実弥さんはしっかり自立した成人男性ねさであり、きっと親からも信頼されているので、ないんじゃないかな!と解釈しております! (2020年6月27日 4時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ