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次の土曜日。宮里さんが家に来た。
そして、明日の日曜日には実弥さんのお家でご飯を作ってもらう日。
いつもなら週に2、3回する夜遊び。今週はそんな気分にはならなかった。誘いの電話もLINEも全部断るくらい。代わりにショッピングばかりしていた。
すっかり健全な女子高生になった私は人生を謳歌していたのだ!
『に、似合いますか?』
私が明日実弥さんと会うと言うと、ファッションショーが始まったのだった。
宮里「んー、やっぱりスカートで女性らしさを…でもAさんの足ならスキニーが綺麗に履けるし…」
ブツブツと悩みながら明日のコーディネートを試行錯誤。
『へへ…楽しいですね』
女の子を楽しむって、こういう事なのかな。
宮里「ふふ、なんだか柔らかく笑うようになりましたね」
目を細めて嬉しそうにする宮里さん。
あれ、なんだか懐かしい。
『へへへ』
大きなベッドに並べられたたくさんの洋服やアクセサリー。
孤独から逃げるように遊び回っていた少し前の自分を思い出した。少しでも一人で家にいる時間が減るようにと始めた夜遊び。
でも今は実弥さんに会うことを心待ちにして過ごす今日。それを自分のことように喜んでくれる宮里さんの存在。
(私、ひとりじゃないかも)
また緩くなった頬。
目の前のスカートを手に取ろうとした時。
ピンポーン
宮里「だれかしら…出てきますね」
突然なったインターホン。宮里さんはパタパタと駆けていった。
なんか嫌な予感がする。
宮里「Aさん…お父様です」
『…はい』
私がお父さんに苦手意識を持っていることを知ってる宮里さんは、複雑そうにした。
暫くして玄関が開く音がして迎えに行く。
『おかえりなさい、お父さん』
「…あぁ」
スーツの上着とカバンを受け取る。
久しぶりに帰ってきた父親。疲れた顔をしている。仕事上手くいってないのかな。
宮里「おかえりなさいませ。お風呂の支度は整っております」
「悪いな」
一瞬でピリついた空気。
浴室に向かった父を見送ると、宮里さんと目を合わせる。
宮里「Aさん、スマーイル」
余程固い顔をしていたのかな。
『…はい』
突然の父の帰宅。
滅多に帰らない癖に、なんでだろう。
いや別に自分の家に帰ることがおかしい訳じゃないのに。
仕事人間な父は出張ばかりで家にいる時間はほとんどないし、日本にいても会社で寝泊まりする人だ。
裏があるような気がしてならない。
ふわふわとした気持ちは一気に強ばった。
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パチ麻呂(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます!近いうちに続編公開致します、もう少しお待ち頂ければ幸いです! (2020年7月5日 0時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - とっても面白かったです。続きも楽しみです! (2020年7月4日 20時) (レス) id: 7a18dbf6fa (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます!次の章まで時間が空いてしまうかもしれませんが、幸せな2人がかけるように準備頑張りますので、楽しみに待っていてください(;_;) (2020年7月2日 5時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています!!優しい実弥さんも夢主さんも絶対に幸せになってほしい(*´∀`*) (2020年7月2日 3時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - ぽんちゃんさん» 夢主ちゃんの家庭ならありそうですけど、実弥さんはしっかり自立した成人男性ねさであり、きっと親からも信頼されているので、ないんじゃないかな!と解釈しております! (2020年6月27日 4時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
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