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期末テストが近いキメツ学園では土曜日にも関わらず教師が問題作成に勤しんでいた。
宇髄「地味だな、空気が」
「当たり前だろォ、こちとら追い詰められてんだ」
隣の席でふんぞり返る宇髄天元、美術科担当。テストよりも作品を評価する科目なためこの時期は比較的暇そうにしている。
煉獄「不死川!数学のテストの出来はどんなものだろうか!」
後ろから現れたのは煉獄杏寿郎、日本史担当。俺と同じく問題作成に頭を悩ませるはず、だが様子を見た感じ出来上がったようだった。
「あァ、八割終わった」
煉獄「うむ!いい心掛けだ!冨岡はどうだ!」
斜め後ろの席にいるのは冨岡義勇、保健体育担当。保健のテストは毎年同じような問題な為そこまで時間を食わないようで、黙って親指を立てる仕草をした。
その顔が単純に腹立つ。
宇髄「じゃあ飲み行こうぜ!不死川今日車じゃねぇから行けるだろ?」
「はァ?!」
時計を見ると、夕方5時を回った所だった。
宇髄「なんだその地味な反応は!終わんねぇのか?手伝ってやろうかオイオイ」
「ぅるっせェ!すぐ終わらせっから先行けェ!」
煉獄「ははは!それじゃあいつもの店で待ってるぞ!」
「おー、分かった」
冨岡が気持ち悪い笑顔でおはぎを置いていった怒りの反動のおかけで(?)爆速で問題作成を終わらせた。
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宇髄達が待つ行きつけの居酒屋に向かって歩いている途中、スマホの着信音が鳴った。
大方煉獄か宇髄だろうと思って画面を確認すると…
“新堂A”
「…ハ?」
早鐘を打つようにうるさい心臓を落ち着けて、スマホを耳に押し当てた。
「…どうした」
《あっ、こんばんは。新堂Aです。お時間大丈夫ですか?》
「平気だァ」
電話越しに聞こえるAの声は脳に直接響いてくるみたいだった。
《あの、この前借りたタオル返したくて…。明日の夜会えたりしませんか?》
「…あァ、会える。夕方迎えに行くから待ってろ」
《ありがとうございます、待ってます》
「おォ。じゃあ、明日な」
《はい、また明日》
通話時間47秒、と表示された画面をじっと見つめた。
…冷静になると、やばくねぇか?
一気に吹き出した汗。
嬉しい半面、いまのAとの接し方や距離感が分からない。
このまま会い続けることは正解なのだろうか。
それはコイツの時間を奪うことにならないだろうか。
「…チッ」
余計なことばかり考える自分の頭に腹が立つ。
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パチ麻呂(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます!近いうちに続編公開致します、もう少しお待ち頂ければ幸いです! (2020年7月5日 0時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - とっても面白かったです。続きも楽しみです! (2020年7月4日 20時) (レス) id: 7a18dbf6fa (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - あさこさん» コメントありがとうございます!次の章まで時間が空いてしまうかもしれませんが、幸せな2人がかけるように準備頑張りますので、楽しみに待っていてください(;_;) (2020年7月2日 5時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
あさこ(プロフ) - 毎回更新楽しみにしています!!優しい実弥さんも夢主さんも絶対に幸せになってほしい(*´∀`*) (2020年7月2日 3時) (レス) id: 81f776d056 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - ぽんちゃんさん» 夢主ちゃんの家庭ならありそうですけど、実弥さんはしっかり自立した成人男性ねさであり、きっと親からも信頼されているので、ないんじゃないかな!と解釈しております! (2020年6月27日 4時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
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