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百三十五話 ページ36

次の日、報告書作成のために留吉さんとお兄さんの2人に詳しく話をきいたりして過ごした。

実弥と私は今夜も任務があるため昼過ぎには出ることに。留吉さんとお兄さんは町外れまでお見送りしてくれた。

『…じゃあ、行きます』

留吉「っAさん」

『はい?』

留吉「兄貴じゃなくて、俺のとこ嫁に来いよ!」

『え?』

あまりにもさらりと言われるから固まってしまった。

「はァァァァ?!ほんっとにふざけた兄弟だなァ?!」

実弥は鬼の形相で怒鳴りつけているけど留吉さんはそれに屈せずに笑った。

留吉「あの恐ろしい鬼に屈せず立ち向かう姿に惚れちまったんだ。恋い慕うくらいいいだろ?」

『…ありがとう留吉さん』

兄「俺も待ってるよ!」

「バカヤロォ、もう喋んなお前ら!」

ギャーギャー騒いでる3人をみてると何だかホワホワする。

『へへ、留吉さんもお兄さんもありがとう。でも私は実弥と結婚するの。だからごめんなさい』

隣の実弥に寄り笑ってみせると実弥は大人しくなった。

「ケッ。そういうことだァ、引っ込めェ」

兄「可憐だ…」

「うっせぇ!これでも持ってろ!」

実弥が乱暴に投げつけたのは藤の匂袋。

『鬼避けです。これからは肌身離さず持ち歩いて下さいね』

留吉「おう、ありがとな!」

兄「また遊びに来てくれ!歓迎する!」

『お世話になりました』

「ちっ、行くぞォ」

『はいはい』

留吉「ご武運をー!」

騒がしい2人は見えなくなるまで手を振り続けてくれた。

__
____
_______

任務への道すがら。

「ほんとに蝶屋敷行かなくていいのかァ」

『うん、痣のおかげかな。もうそんなに痛くない』

そう言って腕をぶんぶんしてみせた。




「A、お前もうちょい危機感もて」

『危機感?』

「あの兄弟と接して分かったろ。お前が男にどう見られるか」

『やだなぁ、たまたまだよ』

「…そういう問題じゃねェ」

『むぅ、どういう意味なの』

「俺が嫌なんだ」

『あ…実弥もしかして』

顔を覗き込めばぱっと目を逸らされた。
ははぁーん。

「…ンだよ」

『嫉妬したんだぁ!えへへ、かわいい!』

「だァ!悪ぃかよ!!」

『んーん、嬉しい』

「言わなきな良かったァ」

『ふふ、そんな事言わないで。気をつけるね』

「分かりゃいいんだ、分かりゃ」

『ねえ実弥、任務の前にご飯食べよう。おうどん食べたいなぁ』

「この先にちっせぇが街があったはずだァ」

『わーい、おうどーん』

「はしゃぐな、傷開くだろ」

『はーい』

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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチ麻呂 | 作者ホームページ:ないです〜  
作成日時:2020年5月4日 0時

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