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百十七話 ページ18

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「実弥、A。下弦の仁を倒してくれたんだね。ありがとう」

『お役に立てて嬉しいです』

お館様の前に私と実弥が並んで座る。

「聞いた話だと、2人の連携が素晴らしかったそうだね。いつも2人で稽古しているのかい?」

「左様でございます。獅子と風は相性がいいのでよく手合わせをしております」

「そうだったんだね、いつもご苦労さま」

『滅相もございません』

「ところで、A、実弥。聞きたいことがあるのだけど、いいかな?」

「聞きたいこと、とは?」

「私の勘違いだったら申し訳ないんだけど、君たちの間に流れる空気のような物が変わった気がするんだ。もちろんいい方にね」

にっこりと笑ったお館様。
その発言に、私と実弥はピクリと肩を動かした。

『…えと、それは、その…』

焦ってうまく言葉を選べずにいると、実弥はきちんと座り直し1つ咳払いをした。

「お館様」

いつになく真剣な眼差しでお館様を見つめた。

「もうお気づきかと思いますが、俺とAは結婚を視野に入れた交際関係にあります。」

その言葉を聞いた途端、背筋がピンと伸びた。

「こんな世界で生きている中でも、彼女を心の在処に生きています。鬼を倒すためなら己の命さえも差し出す覚悟は、俺もAも変わりません。この命ある限り鬼と戦い続ける一心でございます」

彼の口から出る言葉は全て本心で、彼の持つ信念だ。

「この手で鬼を滅すことができたその日には、新堂Aを、妻に迎える所存です」

「実弥、いつも鬼殺隊の為にありがとう。実弥にとって大切なものが増えて私は嬉しいよ」

『…お館様!』

優しく微笑んだお館様のお顔を見れば、じわりと胸が熱くなった。

『私も、彼に貰った生きる意味を胸に生きています。どんな時もそばに居てくれたのは実弥でした』

「うん」とゆっくり頷いてくれるお館様。

『わ、私にとって、実弥との出会いは神様から貰った、贈り物だと思っています』

感極まって、涙が出そうになってしまい声が震えた。

「A、実弥。君たちが結ばれて私は嬉しいよ。君たちの手でAの花嫁姿をみせてくれるかい?」

私たちの代で必ず鬼を滅する、そんな意味も込められたお言葉を頂いた。

『鬼殺隊の柱として、恥じぬ行いをお見せ致します』

「すぐにでも鬼を滅して、鬼の居ない世にしてみせます」

力強く答えた私たちに、お館様は嬉しそうに微笑んだ。

「幸せになるんだよ。お祝いは、また改めてさせて欲しい」

『はい!』

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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチ麻呂 | 作者ホームページ:ないです〜  
作成日時:2020年5月4日 0時

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