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百十六話 ページ17

低姿勢且つ、瞬足の私は血鬼術の攻撃をいとも簡単に避ける。

鬼「すばしっこい女だ」

目にも止まらぬ速さで間合いに入った私を、鬼は見逃さない。
殴り掛かるその手を刀で切り落とし、速さを殺さず足元に滑り込む。砂埃がうまいこと上がり姿を隠せた。

『私に気を取られていいの?』

すれ違いざまに鬼の右膝に切込みをいれれば、ガクンと崩れ落ちた。

鬼「ッ…はやい」


『実弥ッ!!!』


「わかってらァ!!!」


砂埃から突如姿を現した実弥に、鬼は動けていない。

カッと目を見開いた実弥の刃は既に頸を捉えていた。さすが、速い。


瞬きをしたその瞬間、鬼の頸は宙を舞っていた。



鬼「クソ!クソ!!人間の分際で!!クソォッ!!!」

鬼の消滅と共に辺りにのびた木は消滅した。

『いくら血を飲んでもその程度。ガッカリだよ』

「ハッ、違いねェ」


細かい擦り傷や切り傷はあるものの、ほぼ無傷で勝ち星をあげた。これはデカいぞ。


『流石だったよ実弥。日頃から稽古しててよかったね』

「あァ、慣れてっとやりやすいなァ」


塵となって消えた鬼。

「落ち着いたかィ、獅子柱さんよォ」

『むぅ、もう冷静です!』

「ククッ鬼を見るあの顔怖かったなァ」

『やめてよ!顔見知りの隊士がやられてたから余計腹たったの!』

十二鬼月を倒した直後だというのにこの楽観的な雰囲気。後から到着した隠は怪訝そうに見ていた。
後から聞いた話だと、なによりあの実弥がケラケラ笑っていることに衝撃を受けたそう。

さっき助けた女隊士も無事だそうで、胸を撫で下ろす。
隠に背負われた彼女の顔色は相変わらず悪かったけど、泣きながら礼を述べられた。

「うぅ、獅子柱様…本当にありがとうございました…」

『ううん、無事でよかったよ』

「私、来月祝言挙げる予定だったんです。こんな所で死んでたら成仏できずにここに留まるところでした」

『そうだったの…。幸せになってね』

ふわりと頭を撫でると涙を零しながら「ありがとうございます」と述べた。



「A、行けるかァ」

『うん、おまたせ』

離れたところにいた実弥と軽く話して、お館様の元へ報告へ向かった。





十二鬼月と戦うにあたって、死傷者を少数に抑え、柱2人はほぼ無傷で下弦の仁の討伐に成功。

胸を張って帰れる結果だった。






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作者のパチ麻呂です

最近スランプ気味です…(;_;)

更新遅くなっててすみません…
気長にお待ちいただけると幸いです…

百十七話→←百十五話



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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パチ麻呂 | 作者ホームページ:ないです〜  
作成日時:2020年5月4日 0時

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