百十五話 ページ16
鬼が手を振りかざすと、
恐らくこの鬼の血鬼術。
素早い攻撃だけど関係ない、私には避けられる。
『最近の鬼は似たような攻撃ばっかだ…!』
この前玄弥と共闘したときは触手だっけ?
単純なんだよザコ共。
『獅子の呼吸___ 漆の型』
“黒獅子”
空中で体を捻り、攻撃の防御且つ、反撃に出る。
八割の木は斬ることが出来た、が。回転の反動で体制を少しばかり崩す
さすがは、十二鬼月。見逃さなかった
一瞬で伸びた木は私の体を思い切り打ち付けた。
全身に力をこめて衝撃に備えた。つもりだった。
『っ____』
目の前が真っ暗になったと思っていれば
「あっぶねぇな!しっかりしろ!A!」
次に目を開ければ実弥の顔。落下した私を抱きとめてくれたみたいだった。
『ごめん、意識飛んでた!』
「だろうな、かなり遠くからぶっ飛んで来たぜ、お前」
既視感のある光景。
そういえば前こうやって体制崩した時は玄弥が抱きかかえてくれてたな。やっぱ兄弟だ…。
『木を使う血鬼術だった。鬼の本体に近寄れなくて厄介なヤツ』
どうやら鬼のいた場所から離れたところに吹き飛ばされたらしい。
急いで鬼の元へ戻らなくては。…許せない
「珍しく怒ってんな」
『なんか癪に障るんだよ、あの鬼』
「ハッ、倒しがいがありそうじゃねぇかァ」
茂みを抜ければ、醜い鬼の姿
『見つけた、実弥、初手はお願い』
「あァ!!!」
「風の呼吸___ 玖ノ型 」
“韋駄天台風”
空中から地上へ向けて放たれる技。
鬼は実弥の攻撃に気を取られた。今だ!
『獅子の呼吸___壱の型』
“獅子奮迅”
獅子が狩りをする時のように、激しい突進のような斬撃。
鬼「次から次へと…!」
頸を目掛けて仕掛けたものの、わずかに反応されたため、頸を切り損ねた。代わりに切れた後頭部はグチャリと音を立てて再生した。
鬼「ザコはどっちだ!」
『…クソ…』
「A、アイツの懐に潜れるか?」
『あの血鬼術に邪魔されなければ…』
「俺が邪魔くせぇ木を斬る。その隙にお前は鬼の足を切り落とせ。態勢崩した瞬間俺が頸をはねる」
『分かった』
「風の呼吸___参ノ型」
“晴嵐風樹”
そこかしこに生えた血鬼術の木は実弥の攻撃でどんどん減っていく。おかげで一気に視界が開けた
「今だァ!!!」
『ありがとう!!』
呼吸で底上げした脚力を駆使して走る。実弥の攻撃で引き起こされる爆風に目を細めた。
すごいな、実弥は。
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パチ麻呂(プロフ) - snowさん» コメントありがとうございます。最後の部分は個人的にこだわっていたシーンなので嬉しいです!続編の方も楽しんで頂けたら嬉しいです! (2020年11月8日 16時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
snow - パチ麻呂様!とりあえずお疲れ様でございました!もうすごく感動的というか、画面の前で号泣してしまいました。ありがとうございました。高評価して、続編に飛んでいきます!これからも応援してます! (2020年10月28日 22時) (レス) id: 6289ae6079 (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - お返事ありがとうございます!性癖っていうんですかw続編も見させて頂いてます!これからもよろしくお願いします(*'ω') (2020年6月22日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - みーささん» うわわ(;_;) すっごく嬉しいです、、!こういうオチが性癖なので受け入れていただけるのは本当にありがたいです(( 続編でも当作品よろしくお願い致します! (2020年6月16日 1時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
みーさ(プロフ) - コメント失礼します。どストライクな作品でもう号泣しました(TT)ありがとうございました!! (2020年6月15日 21時) (レス) id: 02b4f910b1 (このIDを非表示/違反報告)
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