あれから ページ40
「え、見て、あの二人…」
「復縁?」
「別に別れてはなかったらしいよ」
「えー、ケンカしてたとか?」
「真相気になるんだけど…」
誰かが私達を噂するのが聞こえる。
セーターもブレザーも必要ないくらい暖かい、いや、暑い季節がきた。
見慣れた通学路。
隣で手を握るのは
「A、どうしたァ」
私の実弥。
『…居心地悪』
「噂なんか慣れっこだろ」
『慣れたくない』
人の興味の的になるのは得意じゃないんだ。ほっといて欲しい。
「これから見せつけまくんねぇと変な虫が寄るだろ」
『虫って…』
ニギニギと私の手を揉んで何気なく呟かれた言葉。
「ホラ、噂すりゃよォ」
「Aちゃん、不死川おはよう!」
『佐伯くん』
爽やかな笑顔で駆け寄るのは、ナチュラルに好きって伝えてくれた佐伯くん。
「おー佐伯、はよォ」
返事をなあなあにして以来いろいろ忙しくて話せていない。
正直気まずいんだよね…。
「…その様子じゃ、仲直り出来たみたいだね」
私たちの手元に視線を落として嬉しそうに言った。
『うん。佐伯くんいろいろありがとう。ほら実弥もお礼して』
「ンだよそれェ…、でも、ほんとありがとな佐伯」
「例には及ばないよ、Aちゃんがまた笑ってくれてよかった」
『…あのさ、実弥。佐伯くんと2人で話したいんだけど…』
そう、私は彼にきちんとお断りしなくてはならないのだ。
私の自己満かもしれないけど、このままなんとなく時間が過ぎるのを待つのは嫌だ。と思えば
「あー!!いい、いい、そういうの!」
『エ』
「俺、ちゃんと告白してないんだ、返事とか要らないよ」
きまり悪そうに言う佐伯くん。
「それに、傷心中に付け入ろうとしたのは俺なんだ。不死川悪かったな」
「クク、全面的に俺が悪いから責めねェよ」
『…なんか、仲良くない?2人とも』
「まぁ、なんつーか、ウマが合う」
「やっぱ好きな子も同じだと性格も合うのかな?」
「オイ、さりげなく口説くな」
「ふは、悪い悪い」
『ハハ…アンタらが仲良いならいっか…?』
さりげなく佐伯くんとの微妙な空気が無くなったし、実弥は新しい友達出来てるし、私たちが仲直りした噂が順調に回ってるっぽいし…
『まぁ、一件落着だね』
「オウ」
「気抜いてたら俺奪うからねー」
「あァ?!」
『アハハ…』
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パチ麻呂(プロフ) - ナオピーさん» 読み返し…ありがとうございます🥺🥺このお話は高校生の2人、をメインにしたかったので未来の2人はこういったオマケの形で残させていただきました。また暇を持て余した時に読み返しに来てくださいね! (2021年12月6日 23時) (レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
ナオピー(プロフ) - パチ麻呂さん、お疲れ様です。もう終わってしまって寂しさに何度も読み返していたところに、プロポーズ編がー!かけがえのない人生のパートナーとして幸せに過ごしてほしい二人です。素敵なお話を本当にありがとうございました! (2021年12月4日 16時) (レス) @page45 id: b5b3320d19 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - 澪凪さん» 澪凪さん、最後まで読んでいただきありがとうございました🙇♀️ドキドキとキュンとは無関係な生活の私ですが、こうやって誰かに届けられたということが本当に嬉しいのです。次回作でもお会いしたいので是非待っていてくださいね🥰 (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - ほりでぃすくさん» ほりでぃすくさん、ありがとうございました😿ハラハラ要素多くしすぎたかな、、って不安でしたが読み応えがあると言っていただけたなら救われます。嬉しいです。この作品を見つけていただき、ありがとうございました。また機会がございましたら是非!! (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - えむえむさん» えむえむさん、、ありがとうごいまざいます🥺遅い更新で読みにくい部分もあったかもしれません、それもでこの作品を見捨てないで頂けただけで嬉しいです。また次回作で新たなキュンキュンをお届けできるように妄想捗らせておきますね〜!! (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
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