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「っは…」
夏の空の下、輝く海も彩やかに浮かぶ虹なんかない。
暗い部屋。親の顔より見たいつもの天井と、無難なカーテンが視界で揺れた。
でも、俺の手の中には変わらずAの手があって。
「あっちィ…」
久しぶりに人とくっついて寝るとひどく暑く感じる。
『ンがっ…んぅ…』
呑気に口を開けて眠るA
腹なんか出しやがってよ。
「…ここにいろよ、かァ…」
布団をかけ直してやればそれを鬱陶しそうに払われてイラッとしたが
ココ最近は遠慮を含んだ顔で俺を見つめてきたから奔放な態度に戻ったことに安堵した。
「…不器用で、ごめんなァ」
いつの間にか大きな差がついた身長。
もう同じ目線で景色を見てやれない。
思春期が爆発して上手く距離が取れない。
好きにさせた
好きになった
もうそれは動かない事実で
「俺は、お前のためにずっと生きてたよ」
お前がこうして穏やかに眠ってるだけで
俺は幸せだから。
だから
「傍にいさせてくれ」
汗ばむ額に小さくキスをした。
俺しか隣は似合わない。
1番近くにいるのは俺だ。
何があっても俺なんだ。
「実弥ー、ゴハン出来たよー！！」
「今行くー」
1階から聞こえたお袋の声。
モゾモゾと起き上がるA。大きく伸びをしてボーッとする。
『っんー……寝てた』
「俺も今起きた」
『夢見た。…実弥が私に告白してくれた時の夢』
「…懐かしいな」
『ふふ、必死だったね』
「今も必死だわァ」
『私に愛想つかされないように気をつけるんだよー？』
「刺さるわその言葉ァ」
ケラケラと笑いながらその辺のTシャツを着たAはスタスタと部屋を出ていく。
『ほら、なにしてんの置いてくよ』
「おう」
夕飯なんだろね、とか課題まだやってない、とかどうでもいいことをずっと言って
コイツの切り替えの速さにはいつも驚かされる。
まぁ、そういうやつだから何年も一緒に居られたんだけどな。
「A」
『ん？』
「…卒業したら、一緒に暮らさねェ？」
『…マジ？』
「マジ」
これからもっとそばにいて欲しいと思ったから口に出ただけ。
『……うんッ』
いつもの間延びした返事じゃなくて、どこか照れくさそうだけど、嬉しそうな返事。
俺の見たかった顔。
虹のはじまりなんかより
俺がよっぽど欲しかったもの。
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パチ麻呂(プロフ) - ナオピーさん» 読み返し…ありがとうございます🥺🥺このお話は高校生の2人、をメインにしたかったので未来の2人はこういったオマケの形で残させていただきました。また暇を持て余した時に読み返しに来てくださいね！ (2021年12月6日 23時) (
レス) id: 1f374d88ae (このIDを非表示/違反報告)
ナオピー(プロフ) - パチ麻呂さん、お疲れ様です。もう終わってしまって寂しさに何度も読み返していたところに、プロポーズ編がー！かけがえのない人生のパートナーとして幸せに過ごしてほしい二人です。素敵なお話を本当にありがとうございました！ (2021年12月4日 16時) (レス) @page45 id: b5b3320d19 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - 澪凪さん» 澪凪さん、最後まで読んでいただきありがとうございました🙇♀️ドキドキとキュンとは無関係な生活の私ですが、こうやって誰かに届けられたということが本当に嬉しいのです。次回作でもお会いしたいので是非待っていてくださいね🥰 (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - ほりでぃすくさん» ほりでぃすくさん、ありがとうございました😿ハラハラ要素多くしすぎたかな、、って不安でしたが読み応えがあると言っていただけたなら救われます。嬉しいです。この作品を見つけていただき、ありがとうございました。また機会がございましたら是非！！ (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
パチ麻呂(プロフ) - えむえむさん» えむえむさん、、ありがとうごいまざいます🥺遅い更新で読みにくい部分もあったかもしれません、それもでこの作品を見捨てないで頂けただけで嬉しいです。また次回作で新たなキュンキュンをお届けできるように妄想捗らせておきますね〜!! (2021年12月3日 22時) (レス) id: 37af621f88 (このIDを非表示/違反報告)
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