三男の試験 ページ8
雅side
今日は、保育士免許の試験日
いつものように、病院に寄ってから試験会場に向かう事にした
先ずは、翔兄の病室に顔を出す
雅「おはよう♪調子どう？」って聞けば
翔「こっちの…セリフだけど…？(苦笑)」って両足を吊られた、マヌケな格好の翔兄に言われる(笑)
まだまだ、傷の痛みは酷いみたいで
毎日３回、痛み止めの注射をしているけど
口の方は、すっかり元気で…
和への気持ちを忘れてるなんて
はたから見たらわからない程…
相変わらず、和の名前は翔兄からは発しない…
雅「…じゃあ…俺、そろそろ行くわ( ´･ω･)シ」
片手を上げてヒラヒラすれば
翔「肩の力抜いてな…頑張って来い」
笑顔で送り出してくれる翔兄
雅「ありがとう…頑張ってくるよ…」
翔兄の病室を出て
隣の和の病室に行く
病室を開ければ
ベッドに横になりながら、窓の外を眺めている和…
本当…綺麗な横顔…
雅「…和…？」
そっと呼び掛ければ、ゆっくりと俺の方を向く…
和「雅兄……今日……試験だね…」
雅「うん…」
和「…ごめんね……応援するって……約束したのに……俺……何にもしてあげられなかった……本当に……ごめん…」
まだ、息をするのも痛むはず…
それでも『ごめんね』を伝えてくる和に
胸が締め付けられる…
和の側に行き
優しく頭を撫でる…
雅「喋らなくていい……痛いでしょ？……それに謝る必要もないよ…♪だってね…俺『和と翔兄が頑張ってくれたんだから』って……『今度は俺が頑張る番』って……それで頑張れた…和と翔兄のおかげだよ(^^)和と翔兄が俺に力をくれた…ありがとね♪」
涙目の和が上目遣いで見つめてくる
あはっ♪…可愛いわ〜(о´∀`о)
和「雅兄……ありがと……試験…頑張って来てね…」
雅「うん♪頑張って来る♪」
和「……忘れ物…ない？…受験票…持った？筆記用具は？…もう一度確認してから出掛けてね…」
いきなり…お母さんみたいだな(苦笑)
雅「(艸ε≦●)♪ﾌﾞﾊｯ……大丈夫…全部持ったよ…っていうか、智兄にも同じ事言われて来たばっかりだし(笑)」
和「…そう？…ﾝﾌﾌ♪」
雅「フハハ♪…やっと笑った……和の笑顔が見れたから……大丈夫！頑張れる♪…じゃあ……行って来るね♪(* ^ー゜)ノ」
和「うん♪行ってらっしゃい♪」
この１週間
和から笑顔が消えていた事が心配だった…
でも、今日…その笑顔が見れたから…きっと大丈夫♪
和の笑顔のおかげで
落ち着いて…試験を受ける事ができた
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2019年5月13日 12時
