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智side
きっと
和は自分の夢を叶える為に
翔の自分への気持ちを思い出さなくていいって…
思ってるのかも知れない…
だから、翔に会う事で…失くした思いが蘇ってしまうことが怖いのかも…
でもね…和…
翔は、きっと思い出す…
そして何度でも和に恋をする…
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和side
今日は、１日お休みをもらって荷物整理
もう…２度とこの部屋に戻って来ることはない…
だからね
全部…段ボールにしまわなくちゃ…
和「この服は…冬物だから、こっち……これは、直ぐに使うから…こっち……ゲーム機とソフト……DVDにＣＤ…あと、本…これは１つの段ボールに纏められるな…」
仕事に行く前に、俺の荷造りの様子を見に来た智兄
智「全部…持って行かなくても…いいんじゃない？そんなに収納できるの？」って聞いてくる
和「アメリカの収納って凄いんだから…俺の持ち物のなんて全部収納できちゃうよ♪１人部屋だし…何かこういうの初めてで、ワクワクしちゃう♪」
鼻歌混じりで荷造りを続ける
そんな俺を見て、一瞬頬が緩んだ智兄
直ぐに真剣な顔に戻って
智「ねぇ…和？」って名前を呼ばれた
和「ん？」
智「翔がさ……会いたがってる……」
ﾄﾞｸﾝｯ……
和「………そう……」
やっと出た言葉…
智「和もさ……どんな顔していいのかわからないかも知れないけど……アメリカに行く前に、１度翔の面会…行ってきてね…」
翔兄に会ってしまったら…
思い出さなくていい気持ちを…思い出させてしまうかも知れない…
翔兄の幸せを、本当に考えるなら…
俺への気持ちは要らないもの…
俺の事なんか…忘れてさ…
素敵な人と巡り会って
幸せな結婚をして
子供を作って…平凡でもいい
幸せな老後を過ごしてほしい…
翔兄が意識を取り戻してから
何度も思った事…
だから…返事を濁す
できない約束だから…
『わかった』なんて言えないからさ…
和「……あ…写真…写真♪…ﾌﾌｯ♪これは絶対持って行かないと…ホームシックになっちゃうよ♪」
段ボールにガムテープで蓋をする
智「じゃあ、仕事行って来るから……和…絶対、面会行ってね」
智兄にしては、ちょっと強めの口調で釘をさされた…
智兄が階段を降りて行き
ガチャガチャと玄関が閉まる
和「ｳｯ……ﾌｩ…ﾝ……ｸﾞｽｯ…」
ポタポタと涙が段ボールに落ちる…
和「……ごめん…ごめんなさい…智兄…俺…会えない…会わない方が…いいんだ…」
１人…涙を流す
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2019年5月13日 12時
