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翔side
和が留学……
智兄から話を聞いて
翔「和が、カウンセラー…留学…そうか…夢を見つけたんだね…」
和が、俺達から離れて暮らす…
そう思うとチクチクと痛む胸…
ギュッて胸元を握りしめる
智「翔？…どうした？どっか痛む？」
心配そうに覗き込んでくる智兄
翔「……痛い……胸が…痛いよ……」
何でかな……涙が流れる…
智「翔！？…ナースコールしようか？」
翔「……いい……そうじゃないんだ…体とか傷が痛いんじゃない……何かわからないけど……意識を取り戻した時から……何か違和感があってさ……凄く…大切な事……忘れてるような気がすんだ……」
智「翔…」
俺の背中を優しく撫でる智兄の手の温もりに
今まで、言えなかった事がポロリと零れる
翔「…和の話をすると…胸がザワザワする…だから、その原因が知りたくて…和に会いたいって思った…でも、和に会ったら……傷つけてしまいそうで……怖くて…だから、和の事考えないようにして…話も出さないようにしてた…」
智「そんな事…考えてたんだね…辛かったね…ごめん…気付いてやれなくて…」
翔「智兄が悪い訳じゃない…謝らないでよ…皆がさ…写真見せてくれたり…いろいろあった事話してくれたり…嬉しかったし…」
そう…
俺が意識を取り戻してから…もうすぐ６ヶ月
和は、退院してから１度も面会に来ていない
でもね
雅紀や、潤…智兄が
雅『先週ね…保育所の遠足があってさ♪初めて引率して、園児達と動物園に行って来たんだよ♪』
潤『この前ね…凄く有名な先生の講演があってさ♪参加して来たんだけど…滅茶苦茶、勉強になったよ(*´ω｀*)』
智『久しぶりに、お花見するって言ってたでしょ？この間やったんだけど…見て♪』
智兄に見せられた写真
翔『えっ？近藤さんに…岡田さんと長野さん……えぇ〜っ！森田先生まで…』
智『和が、呼んでくれたの♪どうせなら賑やかな方がいいってね(^^)』
大きな桜の木
ビニールシートで、お弁当を食べる雅紀達に混ざって
お酒を楽しそうに飲んでる森田先生
智兄と話に花が咲いてる…近藤さんと長野さん
１人静かに花見酒な岡田さん
皆楽しそう
笑顔満開な写真達…
引きで撮られた写真…
皆から少し離れた所に
親父と和が二人…
親父は空を見上げていて
和は、皆を愛しそうに見つめてる…
その表情が凄く優しくて…
切なくなった事を思い出す…
この時には…もう決めていたんだな…留学する事
翔「和に…会いたい…」
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2019年5月13日 12時
