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潤side
病室のベッドに横たわる翔兄
側に行けば
シュー……シュー……
酸素マスク越しに聞こえる
規則正しい翔兄の呼吸
そこで…やっと安心する
生きてる…
潤「…ｳｯ……ｸﾞｽｯ……良かった……生きてる…ｸﾞｽｯ…」
頬を伝う涙は止めどなくて…
あっという間にぐちょぐちょになる顔…
そんな俺を…大兄が優しく抱き締めてくれる…
〜・〜・〜・〜
智side
翔の側で
涙を流す潤…
不安だったよね…
だって…俺や親父だって…
不安で…不安で…押しつぶれそうだった…
俺達がそんな状態だったんだ……
年下の二人がどんなに不安だったか…
考えただけでも苦しくなる…
潤「…ｳｯ……ｸﾞｽｯ……良かった…生きてる…ｸﾞｽｯ…」
翔の呼吸を確認した潤…
安堵の涙…
その言葉を…涙を見て
潤を優しく抱き締めた…
あとは…和……
和は幾つもの試練を乗り越えて来た
それなのに…神様はまだ、和に試練を与えるんだな…
意地悪な神様……
お願いだから……少しは和に優しくしてよ…
お願いだから……俺達の大切な人を苦しめないで
潤を抱き締め…和を思う…
泣きつかれた潤が眠りについた
空いてるベッドに横にしていいと…看護婦さんに言われ
ありがたく使わせてもらう事にする
潤を横にし
時計を見れば
午前3時…
澄んだ空に星が瞬く…
コンコン…
不意にノックされた扉…
父「…翔はどうだ？」
智「……親父……」
和の手術……終わったの？
智「……麻酔が効いて、よく寝てる…」
父「…潤…泣いたのか？」
ベッドで眠る潤の頬を、指で拭いながら聞いてくる
智「……翔の呼吸を確認したとたん…安心したんだろうね…もうぐちょぐちょになって…泣いてたよ……」
父「…そうか……不安……だったよな……何度経験しても、命に関わる体験は…イヤなものだ……心臓に悪い…」
智「……そうだね……」
大切な人が居なくなるかもしれないって不安は
計り知れないものがある……
智「……和……手術終わった…？」
父「…あぁ…終わった…翔よりは軽い…全治３ヶ月だそうだ…」
智「……そう……とにかく…二人とも生きてる…それだけで……良かったよ…」
父「…そうだな……お前も疲れたろ？仕事もあるだろうし…潤と一緒に寝ろ…」
智「…うん…雅紀…大丈夫？」
父「…和の側から離れやしない(苦笑)」
智「…ﾌﾌｯ」
お互いがお互いを思い合ってる
俺の大好きな兄弟達…
ずっと…一緒だ
そう……思っていたのにね…
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2019年5月13日 12時
