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雅side
クリスマスってさ
世間一般では、恋人達や子供達がイルミネーションやサンタを夢見てワクワクドキドキするイベントだけど
五十嵐家では毎年当たり前のように俺の誕生日って位置付けで、家族全員で『おめでとう〜！』って言葉を贈ってくれる
今もさ皆から口々に『おめでとう！』って言葉を貰い俺の前にはプレゼントの山がある
だいたいさ…いつの頃からクリスマスって恋人達のイベントになったんだろう…？
元々はキリストが生まれた日…誕生日なんだよね
ある時期から名だたる歌い手がクリスマスsongを歌い始めた…その曲達はヒットsongとなり
歌の内容からクリスマスsong＝恋人達
クリスマス＝恋人達のイベントに変換されたのだろうか？
まぁ…どちらにしてもめでたい日って事だからどうでもいいんだけどさ(笑)
そんなどうでもいい事を考えてたら
和「雅紀さん？」
ケーキをテーブルに置いた和が俺を呼ぶ
雅「…ん？」
和「ちょっと歪だけど智さんと一緒に作ったんだ…」
智「クリームは上手く塗れてないけどね味は自信あるから…ね？」
和と微笑み合う智兄
俺の目の前にはチョコレートクリームが塗られ、いろんな果物が散りばめられたケーキ
真ん中にはホワイトチョコレートのプレートに『happybirthday雅紀』の文字がチョコペンで書かれていて、その少し後ろに緑色の太いローソクが１本
智「火…付けるね…和…電気消して来てくれる？」
和「了解♪」
翔兄と暮らし始めて火を克復した和…
ローソクに灯される小さなモノなら大丈夫
でも…纏まった炎はまだ怖いみたいで…
特にライターの火は和の恐怖心を呼び起こしてしまう
カチカチ…って音も…あまり好きではない和
智兄が和に電気を消す役目を与えたのは火を付ける作業を見せない為
和が背中を見せ電気を消しに向かうのを確認して
チャッカマンで瞬時にローソクに火を灯す智兄
和「消すよ？」
智「いいよ〜♪」
フッと暗くなった部屋
happybirthdayの歌を皆が歌ってくれて
一息でローソクの火を吹き消す
智「和〜♪電気付けて〜♪」
パチッ♪
暗かった部屋が一気に明るくなる
駆け寄って来た和が
和「雅紀さんお誕生日おめでとう〜♪」
可愛い笑顔を向けてくれる
雅「ありがとう〜♪和〜♪」
ギュ〜って和を抱き締める
和が居ない誕生日が何回あった…
毎年当たり前のようにそこにあった笑顔がなかった誕生日…
これからは毎年一緒に祝ってね…
君はずっと…俺の弟…ずっと…ずっと…
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2020年6月14日 22時
