上田君 ページ4
翔side
運転手を雇う事になったのには理由がある
森『五十嵐先生…』
翔『森田先生何か？』
森『いや…最近仕事量が増えて…相談やら依頼で終電間に合わない事が多くて…車もさ…酒飲んじゃうと運転できないし…代行呼んだりタクシー呼んだり…毎回大変なんですよね〜』
森田先生のこの発言
正直俺も思っていた
仕事も順調だし…
運転手さんを雇うくらいは余裕がある
事務所用に車を一台用意する事もできなくもない…
これから先の事を考えたら…そっちの方が出費は抑えられるのも事実
翔『会社用に車買って、運転手さん雇いますか♪』
森『マジで？助かりますっ！』
いや〜言ってみるもんだな〜って嬉しそうな森田先生
運転手さんのシフト調整が難しそうだけど…
時間は9時〜25時の間の数時間で募集かけてみるか…
そんな流れで運転手さんを雇う事になったんだけど…
やっぱりね…時間がネックだったのか
面接に来たのが一人だけ(苦笑)
一目見た時は…チンピラ？って思ったよね(笑)
茶髪のツンツン頭
色黒でつり目…
ガラ悪っ！って(苦笑)
でも話してみると案外しっかりしてて
志望動機も嬉しいモノだった
上『自分…１度だけ公判を見に行った事があって…その公判が五十嵐先生の公判だったんです…その時に思ったのが「この人凄いな！俺も人を助けられる人になりたい」って…一生懸命勉強して何回も試験受けたんですけど…俺、頭悪いから…』
翔『…弁護士になる夢は諦めたの？』
上『俺には素質がないのかも？って…でも、今回の募集を見てこれは運命だ！って憧れの五十嵐先生の事務所で運転手として働けたらって思って応募しました』
俺に憧れて弁護士を目指して頑張ってくれてた…
夢を諦めかけた時に募集を見た…
そう…これはきっと必然
夢を諦めたらダメだって事なのかもね
見た目は森田先生並みにチャライけど
しっかり前を見て進める人だと感じた
翔『君はまだ若い…だからウチで働きながら弁護士を目指してみたらどうかな？』
上『えっ！？』
翔『運転手はアルバイト…仕事がない日もある。時間もまばらで安定した収入は難しい…でもウチで働いてくれるなら、弁護士になるための勉強会や講習費はウチが出す』
上『そんな事…いいんですか？』
翔『夢を諦めて欲しくないからね♪』
上『俺、バカだし…何回も落ちてるし…投資の無駄になるかも知れないですよ…』
翔『そんな事気にして勉強してたらいつまで経っても受からないよ。気にせず頑張れ！』
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2020年6月14日 22時
