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涼介side
今、坂本さんの運転する車の中…
何度か通ったこの道が何処に繋がっているのかは明白で…
今日からカウンセリングが始まる…
正直、カウンセリングなんて初めてで
ちょっと緊張する…
どんな先生なんだろう？
やっぱりカウンセリングするくらいなんだから
それなりに経験豊富な年配のいかつい先生なのかな？
俺の今までの事を話したところで、実際に俺が抱えてる気持ちや問題を解決できるとは思わないけど…
チラッと運転席の坂本さんを盗み見る
今にも鼻歌を歌いそうなほど穏やかな表情
坂本さんがこれ程信頼してる先生って…
どんな人なんだろう？
視線を窓の外に向ければ
見慣れた海岸…
ふとあの人の姿が過る
あの人もカウンセリングしてるって…言ってたな
あんな人が担当なら…いいな…
何故かわからないけど…そんな事を思った
☆〜☆〜☆〜☆〜☆
和side
資料を見直していると
コンコン
扉を叩く音
和「どうぞ」
中に入るよう促せばゆっくり開く扉
坂「失礼します。ちょっと早いけど…大丈夫かな？」
和「全然大丈夫ですよ(笑)絶対早く来るって潤君とも話してたし♪」
坂「職業柄、相手を待たせるの嫌だからさ(笑)」
和「坂本さんらしいです(笑)で…」
坂「あぁ…今呼ぶね…涼介君…」
坂本さんに呼ばれて動く人影
いよいよ山田涼介君と対面する時…
☆〜☆〜☆〜☆
涼介side
扉の向こう側から聞こえてくる声は若い男の人の声…
耳障りのいいその声は
何処と無くあの人のモノに似ている気がして…
高鳴る胸…
それにしても何であの人の事ばかり考えてるんだろう？
あの人だったらいいなと…考えてる自分に戸惑う
坂「…涼介君…」
坂本さんに呼ばれ我に返る
ゆっくりと扉の向こう側に歩を進め
その先に踏み込めば
和「あっ！」
その声にビックリして顔を上げると
涼「…えっ？……ｳｿ…」
俺の目の前に
あの人が居た
和「君が山田涼介君だったんだね」
ニコニコと話しかけてくるあの人
あ〜。笑顔が可愛い…
和「改めて自己紹介させてもらうね。初めまして…俺は二宮和也っていいます♪今日から君のカウンセリングを担当する事になりました。宜しくね」
スッと差し出された手…
そっとその手に触れれば
ギュっと握られる
その人との初めての接触
もう何年もしていなかった握手
男の人なのに
小さくて丸い柔らかい手…
涼「初めまして…山田涼介です。宜しくお願いします…」
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作者名：arashiwistomo | 作成日時：2020年6月14日 22時
