タンポポの咲く丘～(二人のかたち《ひまわりシリーズ》） (ページ13)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:9,080 hit

・ページ13

翔side

突然、智兄から連絡がきた

翔「珍しいね智兄から電話なんて♪」

智『ちょっと翔に話しておかなきゃないけない事があったからさ』

翔「俺に？何？」

智『…最近和とはどう？上手くいってる？」

翔「えっ？まぁ…いってるっていえばいってるけど…」

智『ちゃんと二人の時間とれてる？話せてる？』

二人の時間…

翔「……それは……とれてないかも…飯も最近一緒に食えてないし…」

智『…だろうね…』

翔「えっ？」

智『…それは何でだと思う？』

翔「……」

何故？……智兄の問いに頭の中をフルに動かす

和が夕方居ない事が増えたのは…

翔「……上田君が来るようになってから…」

智『…そう…』

翔「……って…何で智兄が知ってんの？！」

智『夕飯、ウチで食ってく事が増えたから(笑)』

翔「えっ？！マジで？！何でよ？！……潤と仕事の事で忙しいって話は聞いてたけど…」

智『それは本当だよ。潤の勤めてる病院で出勤して来る時は、二人で相談室で話してるって言ってたし…でもね…その頻度が最近増えたな～って…翔が待ってるだろうから早く帰ってやれば？って言っても帰りたがらない事もあったからさ…』

翔「……」

智『喧嘩でもしてるの？って聞いたんだ』

翔「喧嘩なんてしてないよ」

智『うん。和もそれはないって言ってた…でも、それより深刻な状態だと思ったから連絡したんだよ』

翔「それより深刻って…」

智『ねぇ？今、翔が住んでる家は誰の家？』

翔「それは…勿論、主は和だよ。和が建てた診療所兼自宅だもん」

智『そうだよね…主は和…そこに翔が加わって…二人の家でしょ？』

翔「…ん」

智『今、二人の他にその家に入って来てる人…居るよね？』

翔「…上田君？でもっ！和もそれは理解してくれてて…」

智『うん。表向きはね…』

翔「…」

智『和ね…上田君の事は嫌いとかじゃないんだよ…』

翔「それは俺も聞いた事ある…初めて上田君を紹介した時、ちょっと和…変だったから…」

智『和ね…上田君の目が怖いって…』

翔「…目？」

智『うん。和の父親の目に似てるんだって…だから、上田君の目を見ると恐怖心があるって…でも、翔にそんな事言ったら傷付けるんじゃないかって…言えないって言ってた』

翔「和…」

智『和の気持ちがわからないまま、この状況が続いたら…きっと二人はすれ違っちゃうと思ったからさ…お節介かな？って思ったけど、しゃしゃり出てみた(笑)』

翔「智兄…ありがとう。和と話してみるよ」