三十九躍 少し変わったサド野郎達、変わらないサド野郎達 ページ38
そして、入学式当日。クソ長かったハタ校長の祝いの言葉が終わり、解放感でいっぱいな新入生含め銀魂高校一同はそれぞれワラワラと片付けを進めていた。
そしてほとんどの生徒達が校門をくぐる頃、高杉の元にあの新入生達が寄ってきた。
「あ、高杉さん！いやー、アンタのおかげで上手く高校デビュー出来そうだぜ！ホント感謝してるぜ！」
「良かったじゃねェか。ま、せいぜいこれからも身なりには気をつける事だ」
それだけ言葉を交わすと彼らと別れ、高杉はいつの間にか待っていた幼馴染達、沖田、神威、信女、神楽、また子の元へと足を踏み入れた。
そして、真昼間に空の真上で照らしてくる太陽の光を受けながら６つの影は銀魂高校の門をくぐったのだった。
＊＊＊＊
「うおおおお！！今年も満開アルナ〜！ココの桜並木」
「おー！確かに綺麗だね。あ、この桜待ち受けにしようカナ」
お馴染み夜兎兄妹は今年もはしゃぎ回り、頭上から舞い落ちる桜の花びら一つ一つを嬉しそうに眺めた。
「ちょっと神楽、神威。はしゃぎ過ぎよ…」
「幾ら何でも毎年毎年見れば慣れるだろィ」
沖田の言葉に神楽はぷうっと頬を膨らませると悔しそうに言い返す。
「故郷がココのサドはそうかもしれないアルけど、私達にとっては何年見てもその年咲く桜は見応えあって新鮮なのヨ！」
「そういうモンかねィ」
「そういうモンなんだヨ。神楽の言う通り俺たちの故郷はこんな綺麗な桜なんてなかったから。ココの桜が毎年咲く度、俺達は新鮮に感じるんだヨ」
神楽に付け足すように神威も言葉を並べると、おそらくこの桜並木の中で最も大きな桜の木を見上げた。つられるように五人もその大木を見上げる。
「…でも、どうであれ今年も６人でココを歩けて私嬉しいッス」
自然と感じた事を大木を見上げたまま、また子は呟いた。それはココにいる皆が感じていることでもあり、最も長らく閉じこもっていたまた子はその気持ちが強いのだろう。
その事を理解した上で高杉は彼女の頭に腕を乗せて答えるように言葉を返す。
「俺に感謝する事だな。昨日俺がお前んちに押しかけてなかったら今お前はココにいねェんだからよォ」
「えっ…！？は、はい…！」
突然の腕もたれに照れて戸惑いつつもまた子は元気よく返事をしたのだった。
春、
初めて出会った二年前に6人並んで歩いたこの桜並木の道をまた並んで歩く。あの頃と少し変わったサド野郎達だが、あの頃と何も変わらないサド野郎達でもあった。
ーー完ーー
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (
レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます！『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです！！これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです！沖田と神楽の所が特に面白いです！これからも更新頑張ってください！応援しています！ (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：交差点プリン | 作成日時：2017年3月31日 18時
